今日の問題提起:
この曲はバッハ作品番号では「リュート曲」として分類されています。だからといって、無関心に通り過ぎないで下さいね。バッハ自身はこの美しい曲を鍵盤楽器で弾いたので、鍵盤楽器でちゃんと弾けるのですから。ただし、リュートの音の特性に合わせて作られたので、「リュートを弾くつもりで弾く」というのが、この曲を美しく弾く秘訣です。
これはあなたがピアノでバッハを弾くときの心構えにもそのまま通じることでしょう。あなたが弾く楽器はバッハが弾いたのとは違っても、バッハが何を望んでいたのかを見つめてそれを再現しようと努めれば、あなたはバッハと直接対話することができるのです。
ビデオの要約:
- バッハが晩年に作ったこのフーガは、演奏時間も長い大曲なのに対位法がとても薄い
- バッハ自身はこの曲を、リュートのようなガット弦を張った特製のチェンバロで弾いていた
- リュートの音は、一つ一つが和音として溶け込んでしまわないで主張するので、このくらい声部が薄くてちょうどよい
- チェンバロで弾くにしても、ピアノで弾くにしても、単にキーを押せば音が出ると思わずに、リュートのような大変なことをして一つ一つの音を出すつもりで弾いてほしい
では、以上の解説を踏まえて、この曲を通してお聴き下さい。
何度も聞き直して下さい:
「バッハの弾き方速習31日ビデオレッスン」はこれで最終回です。バッハをどう弾けばバロック音楽としての美しさを備えた芸術になるのか、あなたも何となくイメージがつかめてきたのではないでしょうか?
このビデオレッスンをこれからも何度も聞き直してみて下さい。やがて、私の解説や演奏を当たり前に感じるようになったとき、あなたのバッハ演奏もきっとバロック音楽としての美しさにあふれていることでしょう。
もっと勉強したいなら:
この「バッハの弾き方速習31日ビデオレッスン」よりももっと深く広いことに興味をお持ちになったら、ぜひ以下のページもチェックしてみてください。あなたのバッハ演奏のお役に立てることをお約束します。