今日の問題提起:
「チェンバロはタッチで強弱の変化が付かない楽器だ」とよく言われます。「強弱が全く付かない」と書いてある文章を見ることだってあります。実際には良い楽器を上手に弾けば1割から2割くらいは音量を変えることはできるのですけれど。まあでも、ピアノに比べれば確かに微々たるものでしょう。それでも、私はコンサートで「今日のチェンバロは強弱の変化が自在でしたね」などとお客様に言われます。実際の音量は変化していないのにです。
聴き手に強弱を「感じさせる」方法はじつはたくさんあるのです。今日は中でもとてもよく使える技である「長さの変化」をお伝えします。あなたのバッハ演奏にも取り入れて、いっそう起伏に富んだバッハを弾いてください。
ビデオの要約:
- ピアノは強弱が自在な楽器で、ピアニストはどんなことも強弱で表現できると考える
- でもピアニストが工夫する微妙な強弱に聴き手が気付かないことも少なくない
- チェンバロやパイプオルガンのような強弱変化が苦手な楽器では、同じ音価で書かれた音符でも長さを変えることをよく行う
- 強弱自在なピアノにも、強弱以外の分かりやすい手段(ここでは長さの違い)を併用すると、いっそう起伏に富んだ演奏になる
では、以上の解説を踏まえて、この曲を通してお聴き下さい。
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