今日の問題提起:

バッハをピアノで弾くにしても、バロック音楽をよく分かっている人が弾くと、どことなく上品な感じがするものです。それは、当時のチェンバロ音楽が「宮廷音楽」だったことによるでしょう。そのように「上品に弾く」ためのヒントを、今回は具体的なアーティキュレーションの知識としてお伝えします。

ビデオの要約:

  • バロック音楽の「3/8拍子」には、1小節を1拍で取るという意味がある。
  • そのために左手の1拍目を強調したいが、スラーとスタッカートに分けると幼稚な感じだし、これをもし宮廷舞踏会でチェロが弾くなら決してスラーとスタッカートでは弾かない
  • チェロがすべての拍で弓を返しつつ音の長さを変えるように、1拍目はノン・レガートだけれども長く、2拍3拍はスタッカート
  • 右手の内声、各小節に6つある16分音符は、バッハがヴァイオリンに頻繁に指示したように「はじめの3つをスラー、残りの3つを切る」が使える
  • 右手の内声を切るところではちょうど左手もスタッカートなので音の無い瞬間が生まれ、そこでソプラノの伸びた音が浮かび上がる効果も生まれる

 

では、以上の解説を踏まえて、この曲を通してお聴き下さい。

質問や感想をお寄せください

いかがでしたか? あなたが初めて耳にする話題でしたか? それとも、もうご存じでしたか?

質問や感想など、お気軽にお寄せください。あなたがビデオを見てくださったと分かるだけでも私は嬉しいのです。