今日の問題提起:
せっかく頑張ってバッハの3声の曲を練習しているのに、弾いている自分の頭の中では声部がゴチャゴチャに混ざって2声の曲としか感じられないということが少なくありませんよね。でも「私はポリフォニーを弾き分ける才能がないから」などと諦めないでください。練習方法の工夫でいくらでも対処できるのですから。
ビデオの要約:
- 右手の2声部が対話をするような曲(この曲では6度のカノンになっている)では、弾く人の頭の中で2声部が混ざって1つの声部のように勘違いしてしまいがち
- 「楽譜どおりのタイミングで音を出しさえすれば2声部の対話が自然に表現される」ということは無い
- 右手が2声部の対話であることをまず自分の頭に叩き込むために、その2声部を両手で(バスは弾かずに)、しかも左手を1オクターブや2オクターブ下げて全く別々のものとして聞こえるように工夫して弾き込んで、ひたすら頭の練習をする
- 次に、右手2声部のそれぞれをバスとの2声曲として練習して、右手2声部のそれぞれが単独でもバスとアンサンブルする価値のある完全な旋律である事を頭の中に叩き込む
- 以上の「頭の練習」をじゅうぶんに積んでから楽譜どおりの3声部としての練習を始めれば、弾く人の頭の中で3声が完全に独立して認識される
では、以上の解説を踏まえて、この曲を通してお聴き下さい。
3声の練習方法をもう一つお伝えします
上のビデオでは「右手の2声がカノンを成す3声」の練習方法についてでした。ここでもう一つ、もっとよくある「内声を右で弾いたり左で弾いたりする3声」の効果的な練習方法をお伝えします。すぐ下のボタンからご覧下さい。