60時間の共同作業(写真付き)
何とか間に合いました。娘の夏休み自由研究「私の家の2階の模型」完成です。週明けの始業式の日に学校に提出します。
今年は春のコロナ休校が長引いて授業日数が足りないために、娘の夏休みが3週間しか無かったのです。それでも夏休みの宿題はいつもどおり。例年なら40日間かけてじっくり手がけていればよかったのを、半分の日数でこなすことになりました。
なぜかいつの間にか私の担当になってしまった自由研究。今年は何をしようかと夏休み前から考えて、家の模型を作ることに決めました。書店に行けば入口近くの特設コーナーに市販の「自由研究キット」がたくさん積んでありますが、そんな、ただ買ってきて組み立てて動かすだけの消費者で済ませるのは私の物作り精神が許しません。世界に一つしかないものを、自分で寸法を測って部品を一つ一つ手作りさせようと思ったわけです。
どうして「家の2階」なのか? って気になったままでは先の話を読んでいただけませんね。私の住まいは新潟県三条市の商店街にある鉄筋コンクリート造りの3階建てです。1階は妻の実家がやっているお店、3階は妻のピアノ教室以外は物置状態で、娘の行動範囲はほぼ2階に限られるからです。白状すると、本当は1階から屋上まで全部作るアイデアで、階を積み重ねる構造まで私の頭の中には出来上がっていたんです。でも作業を始めてみると、私がイメージしたのの何倍も時間がかかるではありませんか。諦めて2階だけにしました。
作業は決して派手ではありません。家じゅうの寸法を巻尺で測り、それを縮尺で割り算し、厚紙にその寸法を書いて切り取り、そこに同じ寸法に切り取った色紙を貼り、できた部品を木工用ボンドで組み立てます。それだけといえばそれだけです。
それでも、ドアが開くようにしたり、窓やふすまが動くようにしました。ちょっとは玩具としての要素もあった方が楽しいですからね。
娘にとっては、巻尺を使って部屋の大きさを測ることからして初めての経験でした。それを縮尺(30分の1にしました)でいちいち割り算するわけですが、割り算というものを算数の授業以外で役立てるということも今までほとんどなかったようです。そうそう、勉強のついでにと、30で割る計算は電卓を使わないで全部娘に筆算させましたよ。時々「おいおい、そんな割り切れる数字くらい暗算でしろよ」とか言いながら。
この際ですから、小刀を使った鉛筆の芯の尖らせ方とか、正確な長方形の作図方法とか、きれいに直線を切るはさみの使い方とか、道具の使い方も上手になってもらおうと手取り足取り指導しました。実際に物を作る課題の醍醐味ですよね。
でも実際にさせてみると大変です。「ちょっと席を外すからこれやっといてね」と任せて戻ってきてみると、部品の裏表が反対だったり、壁が微妙に平行四辺形だったり、違う色が貼ってあったり、考えられるかぎりのいろんな事が起こります。やり直しをさせるたびに娘が感情的になるので、結果として娘の作業のすべてに私が立ち会うことになりました。
結局60時間も娘と一緒に工作をした次第です。こんなことをしているから、フランス組曲第3番の収録に1ヶ月以上もかかってまだ終わらないんです。でも小学6年生の娘にとっては一生で最後の夏休み自由研究なので、形に残るものを記念に残せてあげられて良かったと思っています。さあ、この週明けからは娘が学校に行ってくれますから、またペースを上げてバッハを収録しますよ!
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60時間かけて作りあげた作品を前に娘さんの笑顔も達成感に溢れて素敵ですね!
こちらの方は夏休みは2週間のため、自由研究もするかしないかは自由で結局我が家はやりませんでした。私の方は中々頭に入ってこなかったインベンション10番を地道に毎日ちょっとずつ進めて、ようやく両手で通して弾けるようになりました。先生のどう工夫して弾いているかの動画を見つつ、効率法の本も読みながら諦めずに練習して良かったです!
コメントありがとうございます。
小学生のお子さんがいる中でのバッハの練習って、なかなか進まないのでしょうね。私は車に乗ってスタジオに逃げ出してしまうからどうにか練習できますけれど。
インベンションの10番!動画のご利用ありがとうございます!本のご利用もありがとうございます!
気が付けば、もう学校の夏休みも終わりに近いのですね。
「小刀を使った鉛筆の芯の尖らせ方」といえば、
八百板さんはチェンバロの爪を、1本ずつ手で削って作ってらっしゃるのですよね。
チェンバロのような楽器の調整も、「自分の手で物を作る」ことと
共通する点があると思いました。
コメントありがとうございます。
チェンバロ所有者の中でも、細かい工作が嫌いな人は爪の調整に苦労すると聞いたことがあります。私は好きで良かったです。
八百板先生
こんにちは
父娘の素晴らしい作品を
見せて頂き、ありがとうございました。
こんな贅沢な時間の過ごし方は
小学生までかもしれません。
これが本当の模型です!
しかし、普通はここまでは
こだわり抜けません。
先生のお家の
構造を知る事ができて
嬉しくなりました!
お褒めのお言葉をありがとうございます。
贅沢な時間の過ごし方、そうかもしれませんね。忙しい今を大切にします。
ちゃんと読んでないのですが、やっぱり娘さんがかわいいと思いました。
ありがとうございます!娘に伝えます。
娘さんとの素敵な触れ合いの時間を持たれて、素晴らしいなと思います。
先生のビデオを見て、少しずつでも再びBachに取り組んでみたいと思いました。
嬉しいお言葉、ありがとうございます。
私自身にとっても、ビデオに収録する事を機に、今まで弾いてきたバッハをあらためて根本から見直すよい機会となっています。新たな発見もたくさんあって驚いています。