五感で満喫!ヒメサユリ(写真付き)
ヒメサユリ(姫小百合)の群生を見に、家族で山登りをしてきました。山登りと言っても、大したことはないんですけどね。登り始めの駐車場から標高差200mくらいです。
去年は同じ頃に行ったら花が殆ど終わってしまって残念でした。しかも、スケッチをしに行ったというのに、お弁当とお菓子の準備で頭がいっぱいで、肝心のスケッチブックを忘れる始末。で、今年こそは事前にインターネットで開花状況をチェックして、忘れ物もしないで出かけましたよ。
新潟、福島、山形の山地にだけ自生するヒメサユリ。私はこの花のことは知っていても、わざわざ時期を見定めて出かけて行こうという気になったのは去年からなのです。独身のときから野草には興味がありました。私個人的にはもっとマイナーな花を、誰も知らない秘密の場所に見に行くほうが好きで、「みんなが騒いでいる花をみんなと同じ所に見に行くなんて」という感じでした。
考えが変わったのはやっぱり結婚して娘が生まれて成長して、家族で出かけるようになってからですね。せっかくのいい天気の日に家族揃って出かけるのなら、見ごたえのあるものがちゃんと見られる確率の高い選択をしてあげようと思うようになったのです。そして、期待通りに、いえ期待以上に充実した一日が過ごせて妻も娘も喜ぶと、私も嬉しい!というわけです。
さて、今年のヒメサユリは満開を少しだけ過ぎかけていましたが、山の上のほうにはまだ蕾もありましたし、じゅうぶん満喫してきました。単に見て楽しむだけなら群生地の始まりの辺りでも満足なのですが、私たちは出かけた先でスケッチをするのが楽しみです。群生地を保護するために山道の両側にロープが張られていますから、シートを敷いてゆっくりスケッチできる場所は限られています。いい場所は無いかと探し続けて、結局群生地の一番奥にまで足を伸ばしてから戻ってきました。
娘のスケッチはすごく早いんです。2枚目の写真の画面からはみ出たところに私もヒメサユリをスケッチしたのですが、私がひとつ描き終わらない間に、娘はどんどん画面を埋めていきます。どうしても私は正確に描き写すことに囚われてしまうんでしょうね。
描いている間に、たくさんの人から声をかけられましたよ。「あらー、花を描いているの? いい趣味ねえ。お父さんも一緒に?」
この日はウグイスやクロツグミなどの美しい声がずっと聞こえていました。鳥に関しての最大の収穫はカッコウの仲間のツツドリがすぐ目の前で見られたことです。カッコウもホトトギスもそうですが、この仲間はなかなか姿を見ることが少ないんです。ツツドリ(筒鳥)という名前のとおり、木の筒先を手のひらで叩いたときのような「ポポッ、 ポポッ」という声が何度も聞こえていました。そして突然、私たちの真上の木の上で鳴き出したかと思うと、私たちに気付いてすぐに飛び去っていきました。飛ぶ姿はまさに図鑑で見たカッコウの仲間の姿そのものでした。
森林浴を満喫し、いい汗をたくさんかいて下山した私たちは、その足で日帰り温泉に直行しました。温泉につかって、美味しいご飯も食べて、五感ぜんぶが満たされた一日でした。
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ご家族で揃って出かけるとか何かするとか、という記事は微笑ましいです。
八百板さんは音楽、娘さんは絵画のセンスを持ってらっしゃるようですが、
自然の中で、耳で音を聞き、目で物を見て、五感で受け止めることは
芸術のセンスを高めるために、とても有益なことだと思います。
そういえば、「スタジオと所有楽器」の項目にある、
久保田彰2000年製作フランドル様式2段チェンバロ
の響板に特別に描いてもらったという「越後の春を象徴する花たち」の中に
姫小百合がありましたね。
嬉しいお言葉、ありがとうございます。
楽器の解説の文も覚えていてくださるんですね。
私は普段からつい頭で考えてしまうことが多いので、こういう経験は感覚を磨いてくれます。