指使いの問題

書籍「超効率バッハ練習法」をお買い上げのI様から、指使いのことでご質問をいただきました。

1小節ずつの繰り返し練習で次の小節に進んだときに前の小節の指使いを変えた方が良いと気がつく事があります。一度覚えた指使いを変更する事になりますが、よい対処法はありますでしょうか?

I様は指使いが書いてない楽譜を使っていらっしゃるのですね(私もですが)。たしかに、一度覚えたことをやり直す無駄はできるだけ避けたいものです。書籍には書かなかったことですので、ここで説明します。

ステップ1の「片手1小節ゆっくり練習」に取り掛かる前に、まずは指使いの検討をします。指使いを決めるときには、機械的に小節線で区切らずに、ひとまとまりの動き全体を見渡すようにします。普通は小節線を越えた最初の音までがひとまとまりの動きであることが多い、ということを覚えておくと便利でしょう。もちろんそうでない場合もたくさんあります。

とりあえず指使いを選んだら、その指使いでステップ1の「片手1小節ゆっくり練習」に進みます。

よく考えないで何となく指使いを決めてしまうと、後でテンポを上げていったときに、動きに無理が生じて進めなくなってしまいます。良い指使いを選んでそういう事態を防ぐには、第9章に書いた「バレエの振り付けのように手の動きをスムーズに」という観点がお勧めです。

つまり、とりあえず指使いを選んでステップ1で片手ずつゆっくり弾いているときに、「これはこの遅さだからどうにか弾けているのか? それとも、この動きはとても滑らかなので、テンポが上がっても通用するのか?」と自分に問いかけながら練習するのです。

両手練習に進んでからも、「これはこの遅さだからどうにか弾けているのか? それとも、この動きはとても滑らかなので、テンポが上がっても通用するのか?」との問いは常に大切なことです。

練習の初期段階で良い指使いを選び、指使いを変更するにしてもできるだけ早い段階で済ませる習慣を身につけましょう。「最後になってやり直し」という無駄をなくすことで、練習効率はぐっと高まります。

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