チェンバロスタジオに煙が充満!(写真付き)

びっくりさせてごめんなさい。火事ではありません。花火です。

娘の夏休み自由研究で、今年は線香花火の燃焼実験を選んだのです。昨年もその前の年も、絵を描くのが好きな娘は絵を描くことを中心にした課題でしたが、友達が科学実験をするのに影響されて「私も何か実験をしたい」と言い出したもので。

線香花火って、1分くらい燃え続けることもあるけれど、すぐに火の玉が落ちてしまうことも多いですよね? その原因は持ち方が下手だったり、火の付け方が悪かったりするせいなのでしょうか? 風が吹かなければ長く燃えるのでしょうか? そもそも花火そのものの出来不出来にどの程度のばらつきがあるのでしょうか?

こんな疑問を私も子供のころから持っていたので一石二鳥。この際ですから40年も前からくすぶっていた疑問を娘と一緒に解明することにしました。

というわけで、まずは線香花火を60本購入。こんなにたくさんの線香花火を手にしたのは初めてです。花火のメーカーが違うと品質にも差があるのかどうか知るために、2種類の線香花火を用意しました。

「線香花火の燃焼時間がばらつくのは、火のつけ方にばらつきがあるからか?」に答えるために、家からキャンドルとホルダーを持ってきました。ライターやチャッカマンで火を付けるよりは安定するでしょう?

それから、線香花火を吊るす実験装置を作りました。「線香花火の燃焼時間がばらつくのは、持ち方が悪いからなのか?」に答えるために、花火を手で持たないことにしたのです。木材を買ってきて、切る長さを娘に計算させて、娘にのこぎりの使い方を教えて、切らせて、釘の打ち方を教えて、釘を打たせて、組み立てました。一日で実験を全部終わらせるつもりなのに、これだけで2時間もかかりましたよ。

本当は外で実験できればよかったのですが、この日は風が強くて、とても線香花火が出来る状態ではありません。仕方がないのでチェンバロスタジオの玄関の戸を閉めて実験しました。実験開始とともにスタジオの中は煙が充満! 何しろ線香花火60本分の煙です。といっても、楽器がある奥の方の部屋はしっかり締め切ったので、煙が充満したのは冷蔵庫や流しのある手前の資料室だけです。

「線香花火の燃焼時間がばらつくのは、風のせいなのか?」に答えるために、風のある状況でも実験しました。でも外では風が強すぎるので、玄関の中で戸を空けて、外から吹き込んでくる風が適度に当たるようにしました。

さて実験の結果ですが、おもしろいことが分かりましたよ。

一つ目。戸を閉めて風が全く無い状況で、同じメーカーの花火の燃焼時間に最大で2倍近い差が出たんです。ほとんどの花火の燃焼時間は35秒から45秒の間くらいでしたが、ごく少数ですが、時折1分以上も長持ちするものがあるかと思うと、すぐに消えてしまうものもあったのです。つまり花火の品質自体にばらつきがあったということです。

二つ目はもっと意外でした。風がある状況だと、半分ほどは風が無いときよりも短時間で火の玉が落ちたり消えたりしましたが、残り半分はかえって燃焼時間が長くなったのです! 観察していると、風に吹かれて火の玉が小さくなると長持ちするんです。一番長持ちしたのは、風で火の玉が半分吹き飛ばされて、小さな火の玉がいつまでも燃え続けたときです。風があるこの状況での燃焼時間のばらつきは、22秒から70秒まで、3倍以上の差が出ました。

結論としては、線香花火の燃焼時間は、持ち方とか火の付け方が悪くなくても、かなりばらつくんだという事です。これからは「私のやり方がいけないのか?」などと心配しないで、花火そのものの品質のばらつきや風のいたずらを純粋に楽しめるというわけです。

ところで、煙が充満したチェンバロスタジオですが、その後2日間徹底して換気をしたら臭いはほぼ消えました。

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チェンバロスタジオに煙が充満!(写真付き)” に対して1件のコメントがあります。

  1. 対馬昭人 より:

    さすが八百板先生、工学部ご出身だけあって見事な実験レポートです。線香花火は、おそらく今でも家内制手工業を主体として製造されているのではないでしょうか。だから品質も安定しないのではないかと思われます。

    最後の火の玉が落ちるときは、いつもppやpppで音が鳴ってるようで、なんともいえない風情とともに一抹の寂しさを覚えるものです。

    今年も厳しかった夏が、そろそろ終わりを告げるようですね。

    1. 八百板 正己 より:

      コメントありがとうございます。
      今の花火は中国製のようですが、私が子供のころに「昔、日本人が和紙で線香花火を作っていた頃は3分くらい長持ちしたものだ」という話を聞かされました。材料を吟味して丁寧に作れば、線香花火ももっと奥深いものなのでしょうね。

  2. T.h より:

    いいお父様!…お嬢様はとてもおしあわせですね。

    それが笑顔のもとの一つになっていると思います。

    1. 八百板 正己 より:

      ありがとうございます。
      親も一緒に楽しむのが秘訣かな、と思っています。

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