けっこう手荒なこともします(写真付き)
けっこう固めの毛のブラシで、響板をこすります。ちょっと手荒でしょう?
でも大丈夫。この程度では響板に描かれた花の絵は傷ついたりしません。それより、これをしないと大変なことになります。
カビが生えるんです。
ふたを開けてチェンバロを弾いていれば、響板には埃がたまってきます。埃は湿気を集めます。湿気のあるところにはカビが生えます。響板は塗装していない木なので、カビが木の内部にしっかり根を張ってしまいます。こうなると、こすったくらいではカビは落ちません。
じつは、私が18歳の春に大学の合格祝いに買ってもらった練習用の小さなチェンバロは、そうやって響板にカビの跡が何十か所も残ってしまったのです。
その後、写真のチェンバロに買い替えてからは、こうして定期的に埃を取ることにしているわけです。
響板には全面に弦が張ってあるので、ブラシを動かせるのは弦に沿った方向だけです。すぐにブリッジ(弦の振動を響板に伝える斜めの木)のところに埃が集まってしまいます。
そこで、写真には写っていませんが、掃除機で吸い取りながら、ブラシで埃を跳ね上げるように動かします。こうすると、軽い埃だけでなく、消しゴムのカスとか、カラスの羽の屑とかの固形物も取り除けるのです。
初めはもっと毛の柔らかいブラシを使ってみたのですが、埃が響板に付着すると取れないし、固形物も取れないんですよね。
理屈から言えば、響板にカビが生えたからって、音に影響は無いんだと思います。でも、やっぱり気分が良くないですよね。
あなたのコメントをお待ちいたします
下のほうのコメント欄で、あなたのお考えをお聞かせくださると嬉しいです。
(システムの都合により、いただいたコメントがサイトに表示されるまでに最長1日程度お時間を頂戴する場合があります。あらかじめご承知くださいませ。)
他の記事にもコメントを書いたことですが、日本より湿度の低いヨーロッパで発明された楽器を
日本で使おうとすると、湿度が楽器に与える影響(それも悪影響)は深刻な問題になりますね。
結露、金属の錆び、木の伸縮、そしてカビ、と。
それでも弾かずにはいられません!