こんな廃品利用はいかがですか?(ビデオ付き)
今「食品ロス」が話題ですよね? 国連食糧農業機関の発表によると、世界で生産される食糧の約3分の1が捨てられているんだそうです。ああ恐ろしい!
と言いながら、私もちょっと似たようなことをしています。と言っても食品を捨てているのではありません。ビデオです。
私はバッハの作品を詳しく解説するビデオを毎週1時間分くらい作っています。その1時間のビデオ1本を作るためにカメラを回している時間がだいたい2時間です。つまり、撮ったビデオの半分を毎週捨てているんです!
捨てる原因はいろいろです。解説の途中で言い間違えたり、弾き間違えたりするのはしょっちゅうです。途中で調律が狂ってきて調律し直したり、キーの動きが悪くなって調整をし直したりすることもあります。ただ、あんまりビデオが継ぎはぎだらけになるのもどうかと思って、解説のところでは少々の失敗があってもそのまましゃべり続けるようにしています。
問題は解説ビデオの最後に曲全体を通して演奏する部分です(このブログでよくご紹介しているのは、その最後の演奏部分を切り出したものなのです)。
曲全体の通し演奏のビデオでは、私は一言もしゃべりませんから、どうしたって演奏の出来に関心が行きますよね? なので、この部分の歩留まりは本当に悪く、多い時は20回も演奏して、最後の最後にやっとマシな演奏ができたらそれだけを残すのです。
先日、その捨てられる失敗部分を削除する前に、何気なく見てみました。そうしたら、自分でも気が付かなかった自分の本当の姿がバッチリ録画されていて、おかしくて笑ってしまったんです!
ビデオ収録が始まるともう完全に自分の世界に入っているので、こんなにブツブツ独り言を言ったり、大きな声で罵ったりしてたなんて、知らなかったですよ。「これ、本当に自分なの?」と新たな発見です。
で、そんなNG場面を編集してビデオを作ってみました!
どうぞ笑ってください。
こういう見苦しい(可笑しい)ところを全部廃棄して、最後に残った演奏はこんな感じです。
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おはようございます。
いかに天才バッハといえども、五線紙を前にペンを取って、即座に完全無欠な音楽を作曲できたとは限らず、
ああでもないこうでもない、と五線紙に1小節だけ書いてはバツで消したりして、しまいには五線紙を破り捨てたりしていたかもしれません。
(バッハの時代には紙は貴重品でしたから、よほどのことがない限り、破り捨てはしなかったと思いますが)
ベートーヴェンくらいから後の時代になると、作曲のために試行錯誤した「スケッチ」が残されていて、
完成した作品の自筆譜と同じように、作品を研究する貴重な資料となっているようです。
バッハは作曲するときには紙に書く前に頭の中でほとんど完成させていたようですけどね。
その代わり、一度紙に書いた曲を何十年たっても推敲し続けました。
形は違いますが、私は公演を聞きに行って時々肩が凝ってしまうことがあります。
いい意味で演奏に集中して聞き入ってるのかもしれませんが、、、、
グールドが演奏途中でブツブツ言うのがどうも気になり、これがなければ後年のゴールドベルクは名演だと思うのですが。ブツブツが入っていても名盤には違いないのですが、、、、。
グールドが現代に生きていたら、あとでこの独り言をカットするのを良しとしたでしょうか?
これがあってグールドなのでしょうか?
八百板先生はどう思われますか?
グールドはたぶん、ブツブツも含めて聴いてほしかったんだと思いますよ。本人が気にしているなら、完全に除去はできなかったとしても、かなりの修正はできたはずですから。