指先の器用さと空間認知能力の向上をめざして(写真付き)
偉そうなタイトルですが、何のことはありません。プラモデル作りです。
娘はどうも私や妻とは違って、美術の道に進みたいようです。そこで、事あるごとに娘の感受性や観察眼や指先の器用さや空間認知能力を伸ばしてあげられるように気を配っているところです。
と、娘の教育を口実に、じつは私自身の「物づくり魂」を同時に満たしてしまおうと、40年ぶりに船のプラモデルに手を出したというわけです。
私は小学生のときにこの趣味にのめり込みました。でも当時のプラモデルは精度がイマイチで、中学に上がると既製のプラモデルを組み立てるだけでは満足できなくなり、自然にプラモデル熱も冷めていきました。
そんな記憶がありましたが、まあ娘もまだ小学生だし、ちょうどいいかなと思って一人でおもちゃ売り場を物色していて驚きました。
「戦艦三笠だ!」
日露戦争でロシア艦隊を殲滅させた日本海軍の旗艦です。私が子供のころには売っていなかった、それどころか数年前に売り出されたばかりの新発売のようです。
帰ってきて箱を空けてまたびっくり。私が子供のころのプラモデルに比べて、部品の細かさが尋常ではありません。日本の技術力の向上がこんな所にも波及していたんですね。それにしても、こんなに細かい部品がこんなにたくさんあって、いくら親が手伝ってやるとしても難しすぎるかなあ?
作り始めてまたびっくり。すべてが細かすぎて、親の私にとっても難しいのです。一番のショックは、いつのまにか自分が老眼になっているのに気付いたこと。日頃チェンバロの爪を削り出す作業では気にならなかったのに。チェンバロの爪削りは毎回同じような作業なので、目から30cmくらい離してじゅうぶん作業できるんです。でもこの戦艦三笠の部品は、目から15cmくらい近付けないと接着剤を付けることすらできないのです。そうしたら、その距離に全然ピントが合わないではないですか!
というわけで、細かいところはむしろ目が良く見える娘に頼ることになりました。娘に部品を付けてもらって、接着剤が乾かないうちに私が微調整をするという感じです。
娘にはまだ、この模型の実物がどれくらいの大きさなのか実感が湧かないようです。「この段差ひとつが家の1階分だから、ここからここまでの高さは学校の校舎の高さと同じ」「この小さいボートが、トラックと同じくらいの大きさ」と言葉で説明しても、このミクロの世界に自分が入り込める想像力を育むにはもう一工夫必要です。
というわけで、今週法事で鎌倉に出かけるついでに、横須賀まで足を伸ばして戦艦三笠の実物に乗ってくる予定です。記念館として保存されているんですよ。これで娘も、自分が作った模型のここからここまでの高さが学校の校舎の高さと同じということも実感できるようになるでしょう。
そうそう、夏休みの旅行では松本城も見てこようと思っているので、次のプラモデルは松本城かな?
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戦艦三笠! ものすごく細かい作業を、ピンセットで、しかも笑顔でこなしていらっしゃるスーパーお嬢様! この間のブログでは、ピアノとチェンバロの、心のこもった演奏を聴かせてくださいましたね。小学生でこんなに情感たっぷりの演奏ができるなんて素晴らしいなあ、と感動したところでした。「細部を作り、全体のバランスをみる」ということが、音楽とものづくりに共通しているのでしょうか。お嬢様のこれからが、本当に楽しみです!何も無理強いせず、持っているものを引き出すという、教育(education,Erziehung)の言葉本来の育て方を実践していらっしゃるご両親にも、頭が下がります。
嬉しいコメントをありがとうございます。お褒めのお言葉の数々、ありがたく頂戴いたします。
たしかに仰るように、音楽と物作りには共通することがあるようですね。音楽を、形あるもののように受け取っていただけるような演奏を、私も目指しています。