桜より梅を応援したいのは私だけ?
とっても暖かくてよい天気。住まいのある三条から新潟に向けての道中で桜の花が咲きかけているのを見つけました。先週、梅の花についての記事を書いたばかりなのに、やっぱり雪国の春は劇的ですね。両方が同時に咲くんですから。
梅の花は先週とあまり変わった感じはしないのに、桜の変化はこのところ急ピッチです。梅と比べると、桜は花が咲かないうちから勢いがあふれ出る感じです。木全体からピンク色が溢れ出そうに溜まって、ついに枝先からエネルギーの放射が始まったという感じです。
これから新潟県内はしばらく「どこそこの桜が開花」「5分咲き」「満開」「散り始め」と、そんな話題が駆け巡るのでしょう。でもその間、梅のほうは?
私自身、梅の花がいつ終わるのか、桜の花とどれくらい重なって咲き続けるのか、全然知らないことに気付きました。私の人生の過去51年間、このことに関心がなかったという事ですね。
でも、今年の私は違います。梅と桜を比べて見ている私がここにいます。私はやっぱり梅のほうが好みかなあ。それも、花を観賞するための立派な梅の花よりも、畑の脇に植えられている、実を取るための地味な梅の花のほうが。
今まで気が付かなかった美しさに気がつく、というのは、音楽でもそうですね。
あらためて昔の自分を思い返してみました。コンサートの選曲は、とにかく話題性に富む曲ばかりでした。一番長い組曲とか、一番難しいトッカータとか、一番声部数の多いフーガとか。そんなものばかりを追い求めていた気がします。
もちろん、そういった曲がみんな悪いと言うのではありませんが、時々、話題性だけで中身の薄い曲もあったりするので要注意です。CDで聴いて「かっこいい!」と思ってプログラムに載せたのに、練習を始めたら途中で飽きてしまったということもありました。
今はどうかというと、外見はもっと当たり前でも、それでいて本質がより充実している曲に惹かれます。どんなに短い範囲を取り出して繰り返し練習しても、決して飽きるという事がありません。
ただ、そういう地味な曲はコンサートにとってはどうなんでしょうね? お客様はその曲を聴いたことがなく、私のコンサートで初めて聴いて、そこで一度聴いたきり何だか良く分からないままもう二度と聴かずに過ごしてしまうとしたら? もっと、演奏者と同じように時間をかけてじっくりと曲に付き合って、隠れた良さがだんだん分かってくるような、そんな聴き方のできる場を作ることはできないでしょうか?
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私はコンサートの前には、プログラムの曲を何度も聴くようにしています。コンサートの予習です。
知ってる曲でも初めての曲でも。今ではネットを通じて、膨大な数の曲を聴くことができるのですから、難しいことではありません。
演奏者(演奏団体)が、動画サイトや、自らのホームページに演奏をアップしていることがよくあります。一度その奏者(団体)のファンになれば、何度も好きなだけ楽しめるので、うれしい限りです。
何度も聴いた上でコンサートに行くと、その段階ではもう曲を何度も聴いて知っているので、もっと深いところや細かいところまで新たな発見があります。その曲の良さ、味わい深さを、さらに深く感じることができると思います。
川口さん、素晴らしいコメントをありがとうございます!
そうですね。その気になれば、今はいくらでもコンサートの予習が手軽にできる時代ですね。
私にできることとして例えば、自分のコンサートが近付いてきたら前もってお勧めの演奏を紹介しておく、なんていうこともできそうですね。
今年、一本ある梅の木がいつもより多くの花を咲かせているので驚いています。
もう10日以上楽しんでいます。桜はぱあっと美しいけれど梅は落ち着いて見られるように
思います。必ず浮かぶのが「東風吹かば匂い起こせよ梅の花・・・」の歌でした。
亡くなった母の留袖も私の留袖にも梅の花がそれぞれに描かれています。梅の方が
思いが深いのでしょうか?
コンサートへ行く前に主人はよくCDを聴いています。私は帰ってきてからそのCDを
聴く方が多いです。演奏者(演奏)の感動を大事にしたいとも?
CDはコンサートの前と後の両方聴くのがよりいいかとは思っています。
ご自宅に梅の木があるんですね?すてきですね。
「東風吹かば・・・」の歌、恥ずかしながらうっすらとしか記憶になかったので、早速調べました。菅原道真が大宰府に流されることが決まったときに庭の梅の木に語ったとの悲しい話が載っていました。私もつい梅の花が咲いていると車を止めて花の香りを嗅いでしまいますが、梅は桜と違ってとてもいい香りがします。日本人が梅よりも桜を愛でるようになった歴史はまだ浅いらしいですね。