ものづくり(写真付き)
私のお城「見附チェンバロスタジオ」にて、朝から夕方までずっと娘と一緒です。妻が用事で出かけるので、この日は私が娘の相手を務めた次第。
メインはプラモデル作りです。昨年の春に1台目を作った娘にとって、今回で8台目です。絵画や工作が好きで、毎週近所の絵画教室にも通っていますが、車のデザインにはまっている娘の関心に直結する作業はやっぱり車の模型作りですね。これは私が教えてあげる必要があると言いながら、じつは私自身がしっかり楽しんでいます。
今回作っているのは1990年モデルのエスティマ。もう30年も前のモデルなので、実物を見る機会はほとんどありません。でも模型ならどんなに昔のモデルでも、というか実物をもう見られない昔のモデルだからこそ、目の前にその形を蘇らせるという使命を果たせます。
説明書どおりに作業するだけで、特にグレードアップに手を入れたりしないのですが、それでも1台作るのにけっこう時間がかかるものですね。前作は春のコロナ休校のときに1日4時間ずつ作業して3日間、つまり12時間かかりました。
特に部品一つ一つにまず色を塗るのに時間がかかるんです。部品一つに何色も使う場合は特に、色の境目がにじまないように、一色塗ってから次を塗るまでに数時間乾燥させる必要がありますからね。でも私もだいぶ車のプラモデルというものに慣れてきて、そういう時間のかかる部品からまず手をつけて、乾燥を待っている間に別の作業を並行してどんどん進められるようになってきました。今回は10時間を切れるかな?
さて、プラモデル作りもけっこう集中力を使います。途中に何度も休憩を入れて、おやつを買いに出かけたり、本を読んでやったり、葉大根の収穫もしました(2つ目の写真)。葉大根は春に娘と一緒にプランターに種を蒔いたもので、そろそろ窮屈になってきたので、小さめのものを数本間引きました。
私は自分が子供だったころのことを思い出してみました。やっぱりプラモデルを作ったり、レゴで遊んだりと、物作りが好きな子供でした。でも、こんなふうに親と一緒に何かを作った記憶はほとんどありません。父親は仕事が忙しくてほとんど家にいなかったし(当時の父親はみんなそんなものでしたよね)、母親だって忙しくて「勝手に遊んでなさい」という感じでしたね。
今、私は仕事の方も物作りです。音楽家は本来は何かを作ることとはあまり縁が無いものですが、コンサートができなくなった代わりに私がしているのは毎週毎週のビデオ収録です。練習して、収録して、編集して、アップロードして。「バッハの美しい弾き方講座」のビデオ収録時間は15時間11分になっています。自分の演奏と解説が形あるものとして蓄積されていくというのは、画家とか彫刻家とか文筆家とか、音楽以外の芸術分野のようでもありますね。
そういえば以前から、作品が形あるものとして蓄積されていく芸術分野を羨ましく思うことが少なくなかったのを思い出しました。これでもう他の人を羨ましく思うことはありません。自分が信じることを推し進めるだけです。
私の演奏と解説が毎週毎週蓄積されていく「バッハの美しい弾き方講座」には、どなたもご覧になれる「今月の無料公開ビデオ」のコーナーもあります。どうぞご覧下さい。
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おはようございます。
きちんと正座してプラモデル製作に熱中のお嬢様、お行儀のよいのに
まず感心しました。きっとそれを見ておられる先生の笑顔を想像しています。
私の息子も昔自動車のおもちゃに夢中だったようですが、ほとんど覚えていません。遊んでいたラジコンカーを一台見つけたので飾っています。それを見ながらこれを使って遊んでいたのだなあと思っています。カウンタックとかポルシェとかの名前を覚えました。しかし私はその時の子供の様子を全然覚えていないのです。 昔を今になす由もがな。
時間の許される限り、お相手をされて楽しい夏休みの思い出を作られてください。
ありがとうございます。
カウンタックにポルシェ、私も子供のころによく聞いた名前です。娘にとっては古すぎて名前も知らないようですけれど。
葉大根を育てることも、プラモデルを作ることと同じような
「形あるものを作る」ことですね。
命ある生き物は、それ自体が「蓄積されていく」とは言えませんが
それを育てることによって、お嬢さんの「心が蓄積されていく」でしょう。
すてきなコメントをありがとうございます!