無謀な挑戦

これは無謀な挑戦です

「首都圏からプロの奏者や独唱者を買ってくることなく、新潟県人が力を合わせてバッハを演奏しよう!」と私が立ち上げたこの活動も、5年目に入りました。全国的にも珍しいこんな活動自体が無謀な挑戦ですが、これからはもっと無謀なことに挑みます。ご来場下さいますお客様には、新潟県人のこの意気込みをご覧くださり、証人となってくださることを願っております。

チェンバロを弾きながら指揮

私が指揮をするといっても、指揮台の上で棒を振るのではありません。オーケストラの中央にチェンバロを置いて、通奏低音を弾きながら管弦楽と合唱60余名を統率します。なかなか見られない光景ですが、バッハの時代に当たり前だったスタイルを現代の新潟に蘇らせるのです。

通奏低音

チェンバロの他にも、オルガンやリュートといった楽器が演奏に加わるのも、普通のオーケストラには見られない光景です。これらの楽器はチェロやファゴットと一緒に低音を奏でながら、楽譜には記号でしか示されていない和音を奏者の裁量で自由に演奏する「通奏低音」という役割を担います。これもバッハの時代ならではの演奏形態です。

アマチュアも大活躍

私たちはプロもアマチュアも区別がありません。上手なメンバーだけが出番を独占することなく、多くの団員がソロや少人数のアンサンブルに挑戦します。合唱を含むバッハの大規模な作品でも、多くの部分が少人数のアンサンブルで占められるので、「私もソロに挑戦しよう!」という各団員の心意気がこれらの曲の演奏を可能にしてくれるのです。

カンタータ第140番

管楽器と弦楽器と合唱が全く別々に動き続ける冒頭合唱。楽器の配置が普通のオーケストラと違うのはそのためです。互いに音を重ねてサポートすることができないので、一人一人の責任が重大です。

途中のレチタティーヴォやアリアでは、本当に少人数のソリストどうしのアンサンブル能力が問われます。特に第3曲では、非常に難しい独奏ヴァイオリンを中学生の女の子が果敢に挑戦します。

カンタータ第51番

バッハはトランペットにいつも非常に高度な技術を要求しました。普通のトランペット愛好家には手が出せない特殊な領域です。私たちの活動に加わってくれる勇気あるトランペット奏者がついに現れた今回、トランペット大活躍の名曲をご用意しました。

独唱はソプラノだけですが、上手なメンバーが独り占めするのでなく、ソロ初挑戦も含む5人でリレー演奏します。

マタイ受難曲より第2部後半

バッハの究極の超大作です。通して演奏すると3時間、編成もオーケストラ2つに合唱2つです。本当に新潟県人の力だけでこんな曲を演奏できる日が来るのだろうか? と待っているだけでは何も始まりませんので、メンバーが限られる状況でもとにかく着手したのです。

人類の遺産とも言うべき傑作ですから、いくら無謀な挑戦といっても雑に扱いたくはありません。来たるべき全曲演奏に備えて、本日は後ろの3分の1を丁寧に演奏します。

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