今年も咲きました(写真付き)
春ですね! 見附チェンバロスタジオで今年も咲きました。18歳のニオイスミレです。
私がまだ独身で、栃尾(現長岡市)の山奥にこもってチェンバロを弾いていたころ、お付き合いのある長岡のハーブ屋さんから苗をいただきました。水をやる以外に大して世話もしていないのに、冬場は外に出しっぱなしにして何度も凍らせてしまったのに、こうして元気に生き続けています。
ニオイスミレというだけあって、とてもいい香りがしますよ。インターネットでちょっと調べたら、古代ギリシャでも薬草として使われていたとか。そういえばこの18年間、ずっと外に出しっぱなしで、せっかくの香りをあまり楽しんでいませんでした。今度スタジオで音楽イベントをするときには、チェンバロの下に置いてみようかな。
この花、とても生命力が強くて、種が落ちるとコンクリートの隙間から勝手に芽を出します。この写真には写っていませんが、スタジオの玄関近くのコンクリートの隙間に何ヶ所も同じ花が咲いています。こちらはそれこそ水やりも何もしていません。私の知らないうちにいつの間にか根付いていて、花が咲いたのを見て気が付くなんていうこともあります。
この、「私の知らないうちにいつの間にか種が落ちて根付く」というのが、音楽でも起こるから嬉しいです。
例えばチェンバロ教室。生徒さんのほうから「こんな演奏家のこんな演奏を聴いてみたら素晴らしかったです!」などと教えていただけると、おっと、そんな演奏家の名前は知らないぞ、とか、名前しか聞いたことがないぞ、と焦ったりします。でも、私の知らないところで生徒さんの音楽世界が勝手にどんどん広がっていくのって素晴らしいですね。私がお勧めした曲だけしか聴かないのでは、私がお勧めするのをサボった途端に生徒さんの音楽世界も止まってしまいますからね。
コンサートだってそうです。終演後にいただく感想に「これからもっとバロック音楽のコンサートやCDをたくさん聴きたいです」などと書いてくださいます。
音楽家の私にできることは、せめて自分では美しい花を咲かせて、あとは種を散らすだけです。その種を受け止めるのも育てるのも、みんな私の手を離れてのことです。ニオイスミレの生命力も強いですが、音楽の生命力はもっともっと強いです。どこでも芽を出し、美しい花を咲かせます。
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「音楽の生命力はもっともっと強いです。どこでも芽を出し、美しい花を咲かせます。」
とても素敵な言葉ですね! 今日は何度もこの言葉を繰り返したいと思います。
そうおっしゃっていただけると嬉しいです。
長年チェンバロ教室で頑張って下さるおかげで、音楽の種を芽吹かせて大きな花を咲かせる肥沃な土壌が心の中にできていると思いますよ。