早めの準備(写真付き)

まだ真冬なのに、もう今から準備してるんですね!

チェンバロスタジオの近くにある小さな山に散歩に行きました。そこには名物のしだれ桜があって、このブログでも何度もご紹介しています。

でも今は冬です。当然ですけど、幹と枝だけです。

いえ、幹と枝と、そしてたくさんの冬芽です!

この冬芽、なんと夏の終わりから作られ始めるんだそうです。春になっていきなり桜が咲くわけじゃないんですね。半年も前から準備して、冬の間はこうして硬い殻で守って生き抜くんだそうです。

ということは知識としては何となく知っていました。でも、意識してその実物をよく見たのはずいぶん久しぶりだと思います。

 

しだれ桜の冬芽を見て、思い出したことがあります。まだコロナ禍が始まる前、ひんぱんにチェンバロを運んでコンサートをしていた頃のことです。練習が間に合わなくて、本番の最中に豪快に止まってしまって、もうどうにも取り繕うことができなくて、とっても気まずい恥ずかしい思いをしました。桜が春にいきなり咲けないのと同じで、練習不足でコンサートの本番を迎えたって、まともに弾けるわけがないんですよね。

それに懲りた私は、練習の方法を徹底的に見直して、練習計画もきちんと立てるようにしました。その結果「超効率バッハ練習法」という本も生まれました。

今ではコンサートはしなくなって、代わりに毎週のようにビデオ収録が続いてます。だいたい1ヶ月くらい前に選曲して、とくに練習時間を要する所は早めに練習を始めます。3台のチェンバロを使い分けているので、楽器の調整も余裕をもって取り組んでいます。

「謙虚になった」とも言えるかもしれませんね。若かったころの私は、根性で押し通せば何とかなると勘違いしていました。でも今は違います。どんなに簡単な曲でも、必要な練習時間と、必要な練習日数があります。

自然って、いろんなことを教えてくれますよね。

 

また新しいビデオができました。とてもいい曲ですよ。

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早めの準備(写真付き)” に対して6件のコメントがあります。

  1. Yuko K より:

    久しぶりの投稿です。
    聞いた瞬間に、これだ!と思いました。50年前にNHK総合で「レオナルド・ダ・ビンチの生涯」みたいな特集番組がありました。そのテーマ曲に使われていました。ずーっと耳に残って忘れられなくて、今日タイトルがわかりました…
    良い曲ですね。素晴らしい演奏をありがとうございました。

    1. 八百板 正己 より:

      コメントありがとうございます。
      ずっと気になっている曲の名前が分からないのって、もどかしいですよね。
      お役に立ててうれしいです。

  2. Y.M. より:

    おはようございます。
    ファーナビーという作曲家の名前は初めて聞きましたが、バードやギボンズといったイギリスのヴァージナル音楽の黄金時代の人なんですね。
    ヴァージナルで演奏されたビデオは久しぶりに視ましたが、素朴な音色が味わい深いです。

    1. 八百板 正己 より:

      ありがとうございます。
      ヴァージナル音楽には、もっと無名の音楽家もたくさん関わっているんですよ。
      少しずつ紹介していきますからお楽しみに!

  3. t.y より:

    素敵な曲ですね。
    リズムが似ているからでしょうか、ゴルドベルク変奏曲の第7変奏を思い出しました。

    1. 八百板 正己 より:

      ありがとうございます。
      おっしゃるとおり、同じリズムですね!
      この同じリズムが、テンポを変えていろいろな舞曲(ジーグ、シチリアーノなど)に使われています。
      ベートーヴェンの交響曲第7番の第1楽章も同じリズムです。

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