シベリアに帰る白鳥の声

一昨日、そして昨日と、二日続けて自宅の窓の外から白鳥の鳴き声が聞こえました。

自宅のすぐ近くに川がありますが、白鳥のねぐらにはなっていません。近くには白鳥が落穂拾いをするような田んぼもありません。つまり、冬の間は自宅のあたりで白鳥を見ることは無いのです。

それが二日続けて白鳥の鳴き声が聞こえたのは、たぶんシベリアに帰る途中で自宅の上を飛んでいたのでしょう。

毎年のことですが、こうして思いがけないところで白鳥の鳴き声が聞こえたと思うと、いつのまにか白鳥がいなくなるのです。

 

先日もずいぶんまとまった雪が降りました。けれども、道路から雪が消えるのが明らかに早いです。そして、毎日明らかに暖かくなっていくのを感じます。

じつは私のチェンバロスタジオには、夜の間に室温がどのくらい下がったかが分かる仕組みがあるんです。

何だと思いますか?

答は「チェンバロ」です。

冬の間は、帰宅するときにエアコンのタイマーをセットして、朝のうちにスタジオを暖めておくようにしています。夜の間に室温が下がってチェンバロの調律が狂っても、また室温が暖かく戻りさえすれば調律はだいたい元に戻ります。

ところが、夜の間にあまりに冷え込むと、弦が冷えて収縮する過程で変な動きをするらしいんです。ですから、夜にすごく冷え込んだ翌日は、スタジオに着いてチェンバロを鳴らしてみると豪快に狂いまくっています。

このところ、スタジオに着いてチェンバロがそんなに狂っていません。少なくとも音階練習や装飾音練習をする分には全く気になりません。このことからも、春が近づいていることが感じられます。

 

もうすぐ春。

雪国の春は感動ですよ! 居ても立ってもいられなくなって、「どうして自分はこんな素晴らしい日にチェンバロを弾いているんだ?」と、何もかも放り出して散歩に行きたくなるんです。

「まだ雪がある今のうちにたくさん練習しておきなさい」ということですね。

あなたのコメントをお待ちいたします

下のほうのコメント欄で、あなたのお考えをお聞かせくださると嬉しいです。
(システムの都合により、いただいたコメントがサイトに表示されるまでに最長1日程度お時間を頂戴する場合があります。あらかじめご承知くださいませ。)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です