冬の使者(写真付き)

新潟県三条市の自宅から、隣の見附市にあるチェンバロスタジオに向かう道中で撮りました。遠くの方に白いものがたくさん。ちょっと小さくて分かりにくいかもしれませんが、何でしょう?

白鳥です。100羽以上います。鳴き声だけなら1ヶ月も前から自宅でも聞いているし、数十羽くらい集まっているところは何度も見かけました。でも100羽以上まとまっているのを見たのは今シーズン初めてです。

暖かいところにお住まいの人だと、白鳥と言えば池や湖などに浮かんでいる姿を想像する事でしょう。でもこの写真は池でも湖ではありません。田んぼです。雪に閉ざされるまでの間、白鳥はこうして日中は田んぼにやってきて、よたよた歩きながら落ち穂を食べます。よたよた歩く白鳥は、お世辞にもエレガントとは言えません。むしろ不恰好で愛嬌があるっていう感じですよ。

この時期に白鳥が池や湖にいるのは寝る時だけです。キツネなどの捕食動物に襲われないためです。

やがて田んぼが全部雪に埋まってしまうと、行くところがないので日中も池や湖にいて水草などを食べます。

そして春が近づいて、田んぼの雪が解けると、食べ残しの落ち穂を拾いにまた田んぼにやって来るんです。

一般に思われている「エレガントな白鳥」。一方で、日常的に白鳥を観察できる北国の人にとっての「不恰好で愛嬌がある白鳥」。どうですか? あなたはどちらがお好きですか?

私は「不恰好で愛嬌がある白鳥」が好きですよ。それが本当の姿だということもあります。でもそれだけでなく、毎年のように白鳥を間近で観察することで、いろいろな面を知ってどんどん興味が湧きます。結果として、よたよた歩く不恰好な姿も全部ひっくるめて好きになったんです。

 

先日、バッハのシンフォニア第2番ハ短調をビデオ収録しました。この曲を前回弾いたのは2019年に開催した連続講習会「インヴェンションとシンフォニアの全ての装飾音とアーティキュレーション」の最終回ででした。

あれから4年、この曲自体は久しぶりですが、その間にバッハのたくさんの曲と向かい合ってきました。そして、バッハのいろいろな面を知ってどんどん興味が湧いてきました。結果として、4年ぶりに弾くこの曲も以前とはずいぶん弾き方が変わりました。

今の私は、少なくとも今日の所は、この曲の本当の姿に少しでも迫ることができたかなと思っています。

どうぞお聴き下さい。

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