新種の失敗(ビデオ付き)
バッハのインヴェンション第1番を収録しました。そこで新しい種類の失敗をしたのでお話ししますね。
インヴェンション第1番は、ピアノ教室では小学生が弾く曲ということになっていますね。私はピアノを習い始めるのが小学校6年生と遅かったので、この曲を弾いたのは中学生になってからでした。
それから40年、機会あるごとにコンサートで弾いたり、講習会の題材にしたりと、いろいろな所で弾いてきました。なので、ただ指が動けばいいというだけなら、この曲は練習しなくてもいつでも弾けます。
でも、ビデオに収録するとなると話は違います。広く世界に向けて公開するのですから、「八百板というチェンバロ奏者はこの曲をこう弾くのが最善だと考えています」と表明することになります。あらゆる可能性を検討して、じっくりと弾き込みましたよ。
さあ収録の日です。体をほぐして精神を整えるためにヨガをして、装飾音や音階などの基礎練習をして、インヴェンション第1番を練習して、楽器の調整をして、録画機材をセットして、調律をして、舞台衣装に着がえて、いよいよ収録開始です。
じゅうぶんに親しんできた曲なのでビデオ収録も順調です。楽しみながら1時間近くも解説が続いて(たった2分の曲なのにです)、そろそろ曲の終わりの部分になった時です。話しながら、変な癖で手が襟元に行ったとき、言葉が止まりました。襟のボタンが外れているのです。
ああ、格好悪い!
すぐにビデオを止めてやり直しです。襟のボタンを留めて、少し狂い始めたチェンバロの調律直しをして、気を新たにもう一度同じ話を最初からし直しました。
でも、結果としてこれでよかったんですよ。さっき同じ事をしつこく話しすぎたかなと思った所が、2回目となると実にスムーズに話せます。さっき話し忘れたところも2回目は忘れません。
1時間近くかかった解説はさっきより少し早めに終わり、曲を通して弾く部分も気持ちよく弾けました。解説が順調だと、その後の演奏もいい演奏になるみたいです。
「すべての知らせは良い知らせ」私の好きな言葉です。今回もまたこの言葉のとおりになりました。
では、気持ちよく弾けたその夜の演奏をお聴きください。
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おはようございます。いい音、ありがとうございます。
すみません、ブログの趣旨に即していないことは百も承知で。。。
他に表現方法がなかなかないとは思うのですが「小学生レベル」というの、なんとかならないかなとよく思います。中高年がうまくひけないと「小学生レベルの曲が弾けない」⇒短絡して「小学生未満」となって、それを何度もいわれると当然嫌気がさすので(一生懸命やっている場合にはなおさら)。
むしろ「対位法は左手を使うので大人はハンディがある」とか「16分音符は手の柔軟さが有利だ」というように子ども(スキーとかピアノとか、同じ時間でやれば絶対大人より上達が早い)より不利な理由と対策をいってくれればと思うのですよね(でもやっぱり初心者初心者といわれ続けるとへこみはしますが)。
逆にそのとろい大人は、たとえばシェーンブルクとか現代音楽を理屈でわかるから対処できるところがあるけど子どもにはハードルが高い(そのほか手がでかくないとひけない曲とか。。。)とかいうように、大人であることがメリットなこともなくはないと思うので、そういうところを伸ばしてくれんかなあと思っています(年とっているのに偉いねみたいな褒め方じゃなくて)。
コメントありがとうございます。
インヴェンションは、正直な話、小学生が弾く曲ではないと私は思います。(特に、小学生のときに一度弾いておきさえすればそれでおしまい、という曲では決してないと。)
まあ、とりあえず指が動くだけなら弾けるでしょうけれど、バッハがあの15曲に込めたものはもっともっと高度な事柄です。
大人のメリットは、自分がしている事を分かっているという事ではないでしょうか?
他人から褒められても褒められなくても、自分から進んで文化的なことに時間を使うのは素晴らしいことなんだと、自信を持ってください。
ありがとうございます。たしかに。自分はピアノよし、先生よし、環境よし、なので続けられると思いますが、普通はこれはやめて当然だなとおもいます(以前ヤマハでならっていましたが、やっぱり中高年ってタケモトピアノみたいにたくさんわいてくるからどんどんやめていってもいいけど、そのうちに尽きるのでは)
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13153001323?sort=1&page=1
のとっちゃん坊やさんっていう方がかいておられるのが一番共感できました。
なるほど。
他の習い事も子供と比べると進歩が遅いと感じてつらいですよね。クラシックバレエとか。
子供と比べるのをやめて(ついでに他の大人と比べるのもやめて)、昨日の自分、先月の自分、去年の自分と比べればいいと思いますけどね。
ちなみに、私が持っている仏教の本には「過去の自分と比べてもいけない」と書いてあります。
私は小6の3学期から中古オルガンを買ってもらい 近所のピアノ教室に通い始め バイエル ツェルニー30番 ソナチネアルバム1 と進んできて
ツェルニー30番の15番に入ったとき インヴェンションの1番に出会いました。中1の後半だったと思います。とても新鮮な感じがしました。お気に入りは 1 2 6 7 9 13番
ありがとうございます。
なかなか渋い曲をお好きなのですね! 私も大好きです。