53歳になりました

53歳になりました。

昨日までは「52歳といっても50歳に近いからまあいいや」くらいに思っていたのに、一つ増えるだけで大違いですね。53歳という言葉の響きは、私には限りなく55歳に近い感じがします。そうか、55歳か。何だかすごいな。ずいぶん長く生きたもんだな。って、まだ53歳ですけれど。

一年前の誕生日に自分の年齢のことをほとんど考えていなかったというのは、一年前の誕生日にブログに年齢のことを何も書かずに、代わりにバッハの楽譜のことだけ書いていたことからも伺えます。

でも今年は違います。言葉の響きが55歳に近いという以上に、今は人生の何度目かのとても大きな転機だと感じるんです。

最初の大きな転機は大学院修了後。長男なのに、横浜で一緒に暮らしていた両親も兄弟も放り出して一人で新潟県内の機械メーカーに就職したことです。もっとも、私の出生届は新潟県長岡市に出されていますし、親戚も新潟県内にたくさんいるので、縁のある土地だったのですが。

その次の大きな転機は30歳の時。あまりに無謀と言われながらも、勤めていた機械メーカーを脱サラして、チェンバロ演奏家に転向したことです。その後、結婚や娘の誕生などの節目を経験しながら、どうにかこうにか新潟県内でプロのチェンバロ演奏家として活動を続けてこられました。それもみんな、応援してくださる皆様のおかげです。本当にありがとうございました。

今、それらに並ぶ大きな転機が来たのを感じるというわけです。新型コロナでそうせざるを得なくなったという面もありますが、今にして思うと、これまで20年以上にわたって続けてきた音楽活動のあり方を、そのままの形で10年後20年後も続けている自分を想像できなくなっていたんです。

早い話が、体力が落ちたっていう事かな? 徹夜なんていう無理もできなくなりました。チェンバロを車に積んだり下ろしたりだけでも、いちいち「よっこらしょ!」と声を掛けないといけない有様。それを、毎月4回から多いときは6回と続けるのが、楽とは言えなくなってきたんです。そんなに頑張っているのに、それに見合った無上の喜びや人生の満足が十分に得られているのか? わが人生に悔い無し、と胸を張って言い切れるのか? との疑問が頭をもたげるようにもなってきました。

もしかしたら、体力のあるときに徹夜なんていう無理をしないでいれば、今頃もっと元気だったのかもしれませんね。ひどい時には、1ヶ月の間に家の布団で寝たのが3日だけ、なんていうことを何ヶ月も続けていたものです。まだ幼かった娘の顔を見るのは寝顔だけ、家の事はぜーんぶ妻に押し付けっぱなし。無茶でしたね。でも過ぎたことをあれこれ言っても始まりません。今は今の自分を受け入れるまでです。

今、チェンバロを外に持ち出さなくても私の音楽をお届けできる新しい仕組みを準備しています。直接の動機は言うまでもなく新型コロナ対応です。でもその作業がとても精神的に充実するのです。喜びと満足を感じるんです。自分が長い間探し求めていた本当にやりたいことにたどり着いたのかもしれない、という期待もあります。時間は無限にあるわけではない、と本気で感じるようになったためでもあるでしょう。自分が本当にやりたいことが、おそろしく時間のかかる膨大な作業だということに、そろそろ目を背けずに正直にならなければと気が付きました。

今はまだ、その新しい取り組みの詳細を明らかにはできないのですが(だったら黙ってれば?と言われそうですね。でも私の頭の中はこのことで一杯なので)、7月初めの公開を目指しています。秘密にしていられなくなって、そのうちに少しずつ喋ってしまうかもしれませんが、どうぞお楽しみに!

これからの一年間、新しく生まれ変わる私を、どうぞよろしくお願いいたします。

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53歳になりました” に対して10件のコメントがあります。

  1. T.h より:

    お誕生日おめでとうございました!

    先生のチェンバロ演奏を私が初めて聴いたのは長岡リリックホールの
    地下(?)の練習室でした。細い階段を下りて室内に入って行ったのを
    覚えています。それから種々のご活躍でした。今度は3つ目の全く新しい
    挑戦に取り組まれておられるご様子、発表を楽しみにしております。
    お体に気をつけられて乗り越えていかれますように。

    1. 八百板 正己 より:

      ありがとうございます!
      リリックホールの第1スタジオで演奏したのは20年前くらいです。あの時から聴いて下さっていたとは存じませんでした。

  2. 芹沢ヨシノリ より:

    ご生誕日のお喜び申し上げます。
    拙の53歳は7年前になります。
    先生とは全くジャンルを異にするも、一応鍵盤奏者のはしくれにて、
    3年ほど前までは相応の頻度で、ステージ仕様のデジタルピアノを
    狭い飲食店や共用施設に搬出入しての活動をしていたので、体力への
    ご懸念、察して余りあります。この機を体力温存にあてられ、末永い
    ご活躍を応援申し上げます。

    1. 八百板 正己 より:

      ありがとうございます。
      人生の先輩でいらっしゃったのですね。
      今、体力の温存も頭の使い方次第で賢くできる、という気がしています。がむしゃらにやるのが最善とは限らないのは、まさに楽器の練習と同じですね。

  3. 家合映子 より:

    ”時間は無限にあるわけではない”、”自分が本当にやりたいことが、おそろしく時間のかかる膨大な作業だということ‥”‥‥同感しております。同じことを私も感じてきました。でも先生、出来ればこれからもよろしくお願いいたします。不思議な、神様の導きと守りに感謝しつつ‥。

    1. 八百板 正己 より:

      ありがとうございます。
      家合さんも、やりたいことをぜひ追求してください。

  4. 土田真里子 より:

    先生、お誕生日 おめでとう ございます‼️

    いつまでもキラキラ感動沢山の音色を聴かせてください🎵
    私、先生が奏でるチェンバロ大好きです‼️

    健康な心と身体はより美しい音楽を
    笑顔は健康な心と身体の源を

    八百板ファミリーに沢山の幸せが降り注ぎますように(*≧∀≦*)

    1. 八百板 正己 より:

      嬉しいお言葉の数々、ありがとうございます!

  5. 山川明子 より:

    八百板先生、お誕生日おめでとうございます。
    先生が大きな決断をしてくださったおかげで、毎日、とても幸せな音楽ライフを送らせていただいております。新型コロナウイルスのせいで外出を制限されても、音楽のおかげで、気持ちを強く持っていられます。ありがたいことです。
    どうぞ先生、これかrもお体には十分お気をつけられ、ますます充実した活動をしてくださいますよう、お祈り申し上げます。

    1. 八百板 正己 より:

      ありがとうございます。
      こういう危機が訪れると、人の心の強さや広さ、柔軟性が問われますね。音楽をしている人は強いですよね。

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