難しいところに練習を集中(写真付き)

バッハ(偽作という説も有力ですが)の有名なオルガン曲「トッカータとフーガ ニ短調」の練習をしています。写真はフーガの後ろのほうですが、赤丸で囲った部分の16分音符は足で弾くんです。

普段はチェンバロしか弾かない私にとって、足鍵盤が活発に動くバッハのオルガン曲は大きな挑戦です。いつもの調子で練習していたのでは本番に間に合わないのは明らかです。そうなったら、いつも以上に戦略的に取り組みますよ。

 

あなたは「80:20の法則」というものをご存じですか? 元々は経済学の概念で、「富の80%を人口の20%が独占している」という経験則を表したものです。この説を最初に唱えた経済学者の名前を取って「パレートの法則」とも呼ばれます。

こんにちでは、この80:20の法則は世の中のいろいろな事柄に当てはまることが知られるようになりました。会議の発言の80%は出席者の20%が発しているとか、交通事故の80%は交差点20%で起こるとか、持っている服の20%を80%の日に着回しているとか。音楽についても同じです。難しさの80%はわずか20%の小節に集中しています。もちろん、80という数字は状況によって70になったり90になったり上下しますが、とにかくどこも等しく難しいなんていうことはありません。

 

さて、足鍵盤に不慣れな私がこういう曲に取り組むとなったら、まずは足鍵盤が出てくる小節をすべて拾い出します。この曲は足が休みの部分がけっこう長いですね。曲全体が143小節のところ、足鍵盤に音があるのは40%弱の部分だけです。さらに、同じ音を伸ばし続けるだけといった易しい部分を除くと、足鍵盤が動くことによって難しくなっているのは全体の20%ほどの部分に絞られます。

その中でもさらに、写真のように足鍵盤で16分音符を弾き続ける部分を数えてみると、全体のわずか6%ほどです。足鍵盤が動くといっても、こういう部分にまず練習を集中してクリアしてしまえば安心です。残りの94%の部分の練習を始めたい気持ちをぐっと我慢して、この6%が弾けるようになるまでは他に手を出さないこと。これが私にとってこういう曲を成功させる方法です。だって、本番が迫って焦ってきてからこんな部分を練習したって、気もそぞろで弾けるようになりませんから。

 

追伸

バッハを効率よく戦略的に練習するノウハウについて、関心をお持ちくださったら私の書籍「超効率バッハ練習法」のページをご覧になってみて下さい。

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