4000ページの贈り物(写真付き)

新年早々にお客様から贈り物が届きました。泣く子も黙る「バッハ叢書」全10巻! ざっと4000ページもあります!

こんなすごい物を下さったのは、私のコンサートに何度もご来場のお客様で、バッハのこともよく勉強されているとても知的な方です。小さな住まいに引っ越すことになったからと、かさばるこの本を私に下さったのです。

日本で「私はバッハのことを勉強しています」と名乗るからには、「知りません」では済まされない大事な文献です。でも、これでバレてしまいましたね。私は持っていなかったんです。「必要になれば図書館に行けばいい」というのは、やっぱりダメでしたね。結局、図書館に行ってまでこの本を勉強することなく今に至っていました。

それが今、私の手元にあるんです。

さあ、4000ページもあるのに、全部読めるのでしょうか? これまでにも、何かすごいものを手に入れては「全部消化するぞ!」とその時だけは意気込んで、結局1割とか2割とかで挫折していたものです。どうしても目の前の緊急の用事(コンサートのために練習するとか)を優先しますからね。

しかもこの「バッハ叢書」は、チェンバロ曲のことが特に詳しく書いてあるというわけではありません。チェンバロ曲だけに限って言えば、もっとずっと詳しい別の専門書を私は愛読しています。読んですぐに自分の演奏がどう変わるというわけでもないでしょう。つまり目に見える結果がすぐに出にくいのです。そういう事はどうしたって日々の忙しさに埋もれます。

でも今度こそ違いますよ。私もそろそろ、人生が無限ではないということを真面目に意識するようになりました。いろいろなことで「これをしないで人生を終えてもいいのか?」と自分に問うようになりました。

まずは初日が肝心、というわけで、最初の10ページを読みました。毎日10ページずつ読めば、1年と少しで4000ページになる計算です。どうしても読めない日もあるでしょうから、ざっと1年半後の読み終わりを目標にします。

4000ページの中にいったいどんなことが書いてあるのか、目次すらまだ見ていませんが、確かに言える事は、今私がチェンバロ奏者として見ているバッハを、もっともっと広い目で見るようになるということです。最近特に感じるのですが、チェンバロだけ弾いていてはバッハの大事な面を見逃す気がします。もしバッハがチェンバロしか弾かない作曲家だったとしても、作曲家がその時にその音符を書いた気持ちに共感するためには、当時の社会や文化についての理解も必要です。ましてバッハはただのチェンバロ奏者ではありませんからね。

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4000ページの贈り物(写真付き)” に対して14件のコメントがあります。

  1. 太田 隆司 より:

    いつも楽しく拝見させていただいています。愛知県に住む太田と申します。

    バッハ叢書
    私も持っていますが、まだ通読できていません。必要に応じて部分読みしていますが、そろそろ体系だてて読んでみようかとも思っています。ただ、相当な量でもあり、中々・・・

    編纂の目的や対象とする読者層は異なりますが、小学館のバッハ全集に収められている読み物も中々面白いと思います。こちらは文体も非常に柔らかいのでバッハ叢書みたいに身構えなくても読めますが、内容は結構濃いと個人的には思っています。

    定年を迎え時間的にも余裕が出てきたので、今年はバッハ関連文献をゆっくりと読んでみようかと思います。

    1. 八百板 正己 より:

      ありがとうございます。
      バッハ叢書の先輩でいらっしゃったのですね。
      じつは私も別の厚さ10cmくらいのボックス入りのバッハ専門書をまだ半分も読んでいません。それこそ必要なところだけ何度も使っています。

  2. あけましておめでとうございます。
    音楽の神さま、バッハから先生への贈り物ですね。
    まるで自分のことのように喜びを感じ、涙が出そうです。拙も本年は出来る限りベートーヴェンの文献を読み尽くしたいと思ってます。

    1. 八百板 正己 より:

      嬉しいお言葉をありがとうございます!
      芹澤さんのベートーヴェンも応援します。

  3. 山下廣之 より:

    良い本を手に入れられましたね、すばらしい友人関係ですね。

    1. 八百板 正己 より:

      はい! その方はご自分の文化イベントに私を呼んでコラボしてくださったこともあるんです。ありがたいことです。

  4. T.h より:

     素晴らしい本ですね!
    素晴らしい方ですね!
     そして本も喜んでいると思います。
    素晴らしい方の手元に届いいて!!

    山のように降り積もった真っ白の雪を目の前にしつつ
    先生のますますのご活躍を祈ります。

    1. 八百板 正己 より:

      ご声援ありがとうございます!
      この本たちのためにも、贈ってくださったお客様のためにも、しっかり勉強して内容を身に付けます。

  5. 林 豊彦 より:

    分類番号が付いてますね。どこかの図書館にあったのでしょうか?
    私は発刊時に買いました。ひとつずつ出版されていったので、当時、発刊がとても楽しみでした。全体として、20世紀の重要な文献が網羅されています。いまや古くなったものもありますが、みな歴史的な価値があります。
    私も発刊以来ずっと利用してきました。ご活用ください。

    1. 八百板 正己 より:

      これを下さった方が司書として勤めていた図書館で、廃棄処分扱いになったものを譲り受けたと聞きました。こんな大切な本も廃棄処分になることがあるんですね。

  6. 長野なお美 より:

    八百板先生
    あけましておめでとうございます!

    このような本は、
    本当に価値がわかる方が読むと
    何倍にも広がりを持つのでしょう!!
    聖書とも
    切り離せない事柄も
    書いてあるのでしょうか?

    私の身の丈に合った
    小学館のバッハは読みやすく
    人柄に愛着さえ湧きました♪

    良い本なのに、
    日々の忙しさを理由に先延ばし
    もっと早く読んでおけば良かったと
    後悔することが多いです。

    1. 八百板 正己 より:

      あけましておめでとうございます。
      バッハと聖書との関係、きっとたくさん出てくるのでしょう。
      読み始めて今日で3日目ですが、さっそく出てきました。

  7. 御手洗由夏 より:

    読書もなにもかも、継続が苦手な私、
    どうしても読破したい本があるときに、手元に小さな付箋を用意して、
    気になるフレーズのページにペタペタ張りながら読み進めます
    そうすると、それが楽しくて読み進めることが出来たりするのです。
    目の前の大作を課題にするとき、真っ先に付箋準備!と思ってしまいました。

    1. 八百板 正己 より:

      工夫していますね!

      私は今日で10日目ですが、ここまでは毎日読み続けています。
      もっと先まで読みたいのを我慢して毎日10ページずつでやめています。
      先が気になるので、読みたい気持ちが続いていますよ。

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