オンライン・ビデオ教材「バッハ最愛の鍵盤楽器クラヴィコード」(新版)
~ バッハの教育用諸作品の本当の美しさを再発見 ~
4.バッハの教育用諸作品をもっと大胆に弾く!
4.3 シンフォニア
●第4番 ニ短調 BWV790
- 遅い曲のタイは「メッサ・ディ・ヴォーチェ」を表現するために少し揺らす
- 3小節:ソプラノとアルトの掛け合いの間合い(強弱で対比してもよい)
- 8小節3拍~10小節3拍:左手の2オクターブ上昇は始め強くからだんだん繊細に
- 11小節4拍~13小節2拍:心が錯乱したかのように(特に13小節1拍)
- 14小節4拍:右手突然のミ♭の表情
- 16小節3拍~17小節2拍:2声の軽さ
- 19小節2拍:アルトの半音の表情
- 19小節3~4拍:8分音符単位で変わる和音をしつこく
●第7番 ホ短調 BWV793
- タイ音符の表現
- 主題が終わる都度、意味の重要度に応じて遅くする
- 11小節までの16分音符は即興的な装飾として不均等に弾く
- 37、42小節:各1拍目は重要度が非常に高いのでフェルマータ
●第11番 ト短調 BWV797
- タイ音符の表現
- 16分音符は不均等に(1~2拍:加速、3拍:とどまる)
- 24~28小節:全体を「加速→減速」で一つの山にする
●第9番 ヘ短調 BWV795
- 自筆譜にある8分音符3つのスラーは「クレシェンド→デクレシェンド」を表す
- 3小節左手の形も「8分音符3つ」を装飾したものなので同様に弾く
- 休符の前の音符はいつも短く
- 11~14小節:長調が持つ本来の明るさと主題の異常さの不整合
- 15~17小節:4分音符が「十字架の音形」なので厳しく弾く