オンライン・ビデオ教材「バッハ最愛の鍵盤楽器クラヴィコード」(新版)
~ バッハの教育用諸作品の本当の美しさを再発見 ~
4.バッハの教育用諸作品をもっと大胆に弾く!
4.2 インヴェンション
●第1番 ハ長調 BWV772
- 主題に多彩なニュアンスを込める(特にどこが拍頭かを明確に表現する)
- 主題の掛け合いの間合い
- 4小節4拍:左手のタイは少し揺らす
- 5小節1拍:不協和音は時間をかけて聴く
- 7小節:左手低音域で主題→強く
- 10小節4拍:右手ド#の表情
- 11小節:左手最高音は特に繊細に
- 13~14小節:両手同時の動きはしつこく弾く
- 15~18小節:弱く弾く可能性
- 22小節:最低音を含む和音は堂々と
●第4番 ニ短調 BWV775
- 1~6小節:減7度跳躍に時間をかける可能性
- 7~16小節:短7度や長7度跳躍なのであっさりと
- 19~21、29~33小節:長いトリルは速さと強さをかなり変化させて曲線美を表現する
- 30~35小節:右手各小節1拍目が作る音階を出す
- 49小節:偽終止の表情
●第7番 ホ短調 BWV778
- 2拍のまとまりを意識して加減速も使う
- 1~4小節:3拍目への右手跳躍は左手が休みなので特に繊細に
- 7~8、15~17小節:長いトリルは速さと強さをかなり変化させて曲線美を表現する
- 11~12小節:主題のたたみ掛けは各々の入りを強調する
- 12小節2~3拍:右手増4度、左手減5度の表情
- 13小節3拍:左手ドの表情
- 16~17小節:右手高音の「ミ→レ→ド→シ」を出す
- 18~19小節:右手低音の「シ→ラ→ソ→ファ→レ→シ」、左手高音の「ミ→レ→ド」を出す
- 21小節:左手最低音域の凄み
- 22小節1拍:偽終止の表情
●第10番 ト長調 BWV781
- 7、11、12小節にはバッハが後から追加した装飾音(モルデント)が8分音符に付いているので、速すぎないテンポ
- リュートのイメージ→8分音符は音を重ね、全体に自由に加減速
- 1~12小節:3小節ずつのまとまりを加減速も使って表現する
- 3小節:右手ファの表情
- 16、17小節:各9拍目の表情
- 20~25小節:長いトリルは速さと強さをかなり変化させて曲線美を表現する
- 27~29小節:両手同時の動きは活気を持って
- 30小節1拍:偽終止の表情
●第13番 イ短調 BWV784
- リュートのイメージ→8分音符は音を重ね、全体に自由に加減速
- 3~5小節:タイは少し揺らす
- 6~8小節:長調になったのでテンポは一定ぎみにあっさりと
- 9小節:右手最高音は特に繊細に
- 13小節後半:左手は急激なクレシェンドの可能性
- 14~17小節:各1拍裏~3拍の左手は厳しく打ち付ける可能性
- 18小節:ここだけ前半の表情に戻ることを弱音で表現する
- 19小節:両手同時の動きは叫ぶように
- 20小節2~3拍:右手の増2度の表情
- 21小節3~4拍:左手は14~17小節の再来
- 24小節4拍~25小節2拍:左手最低音域の凄み
●第11番 ト短調 BWV782
- 主題の複雑な動きは、複雑な加減速を伴って苦しそうに弾く
- 6小節4拍:右手の減7度の表情
- 9小節3拍~10小節:左手雄弁に
- 11小節:すっきりと
- 12小節:右手のタイ、左手の減7度をつらそうに
- 13小節4拍~14小節、16小節2~3拍:左手低音域の凄み
- 18小節2~3拍:左手減7度、右手増4度の表情
- 22小節1拍:不協和音をよく聴く
- 22小節2~3拍、4拍~23小節1拍:3ヶ所の減5度の表情
●第6番 ホ長調 BWV777
- 1~3小節:右手はリズムを不均等に、強弱変化を伴って
- 4小節:軽く、おどけて、32分音符は記譜よりも速く
- 9、11、13小節:各1拍目のバスは別物として
- 29~32小節:繊細に
- 40小節:ナポリ6の和音を激しく弾く可能性
- 43小節1拍:不協和音をよく聴く
●第2番 ハ短調 BWV773
- すべての旋律を非常に表情豊かに、強弱と加減速を伴って弾く
- 10小節:両手とも高音なので繊細に、4拍目は前半カノンの終わりとして遅く
- 11小節:左手だけ突然低音で始まるので強く(右手は模倣されない一過性の旋律)
- 20小節4拍:後半カノンの終わりとして遅く
- 24小節後半~25小節1拍:左手最低音域の凄み