今の私の精一杯(ビデオ付き)
長かったけれどようやく完成! バッハのイタリア協奏曲の全3楽章を収録し終わりました。
この曲の第1楽章の演奏ビデオをここでご紹介したのが8月6日でした。収録自体は7月30日におこなっています。それからもう2ヶ月も経ってしまいましたね。全楽章のビデオがやっと完結です。その間、途中に別の前奏曲を挟んだりしたのは、この第3楽章の練習がなかなか進まなかったからでもあります。
そうやって練習時間を稼いだにもかかわらず、まだまだ自分で納得のいく演奏ができたとは言えません。特に演奏中の手の形をビデオで見ると反省点がたくさんあります。「ああ、やっぱり無駄な力が入っているなあ・・・」「そういう所は音も汚いなあ・・・」
それでも、2年前に比べたらずいぶん進歩したんですよ。毎日欠かさず(といっても結構欠かしますが)丁寧に音階の練習と装飾音の練習をして、それが少しずつ少しずつ自分の基礎力を高めてくれます。2年前には自分でもちゃんと弾けないことが分かっていたので、この曲の収録はずっとお預けになっていました。今回は大切なお客様からのリクエストもあって挑戦した次第です。
最終目標が「バッハのチェンバロ曲を全曲ビデオ収録」ですので、いつまでも一つの曲にこだわると途中で人生が終わってしまいます。発展途上の私の通過点として受け取っていただければ嬉しいです。
どうぞご覧下さい。
あなたのコメントをお待ちいたします
下のほうのコメント欄で、あなたのお考えをお聞かせくださると嬉しいです。
(システムの都合により、いただいたコメントがサイトに表示されるまでに最長1日程度お時間を頂戴する場合があります。あらかじめご承知くださいませ。)
音が豊かで、好きです!
感動しました。
ヴァイオリン・ソロは上段で、トゥッティはカプラーの下段で弾かれていますか?
「感動」とは、ありがたいお言葉を頂戴しました!
上段、下段の使い分けは、バッハ自身が楽譜に指示したとおりに弾いています。
ソロの部分で、第1楽章と逆に伴奏のほうをあえて下の鍵盤(大きな音)で弾くように指示されています。バッハは2段チェンバロの表現の可能性を広げたかったのだと思います。
aokiさま、ありがとうございます。
声部数が少ないのに充実した響きになるのは、さすがバッハならではの書法ですよね。
>「なかなか手ごわい!イタリア協奏曲」
>そう、今までの私は「何となく弾ける」ことで満足していたのです。でも今は違います。音符が1000個あれば、そのすべてについて「こういう理由で、こう弾くのが最善だと思う」と解説するビデオを作っているのですから、何となく弾く音符は一つもあってはならないのです。
ビデオは、世界中の人が今後いつまでも繰り返し聴くことができるのですから、それを世に問うためには、コンサートとはまた別の心構えが必要だと思います。
でも、ずっと前のブログに書かれた通り
>「条件が揃うまで待たない」
>曲が完璧に仕上がるまでは人前で弾かない。
>曲が完璧に仕上がるのを待っていたら、人生が終わってしまいますよ。演奏というのは、不完全でも人前で披露する事を繰り返しながら上達していくものです。
「芸術は長く人生は短し」と言う通りで、これも真実なので、どう折り合いをつけるかが難しいところだと思います。
公開されたビデオに寄せられた批評を受け止めて、いつかまたイタリア協奏曲のビデオを公開される時に
「〇年前の私はこうでした。これが今の私の精一杯です!」と言えるように円熟されていることを期待いたします。
以前のブログまで覚えていてくださって嬉しいです。
今の自分にできる事とできない事が見えてきたことで、ビデオに批判が寄せられても平気でいられるようになったと思います。だって、自分でも分かってやっているんですから。
バッハ全曲を収録したら、2巡目をしたいですね。
マリー=クレール・アランは、バッハのオルガン曲全集を3回録音したそうです。
八百板さんがバッハのチェンバロ作品全曲の2巡目を収録される時には、
バッハの頭の中にあったに違いない「イタリア協奏曲の『完成』された演奏」に、
どこまで迫れるか、声援をお送りしたいです。
でも、バロック時代のチェンバロ曲は、バッハの作品以外にも大量にありますよね。
テレマン、ヘンデル、スカルラッティ、あるいはカベソンといった、綺羅星のごとく居並ぶ作曲家たちのチェンバロ曲の
「八百板正己による演奏」が聴きたい、という気持ちもあります。
応援ありがとうございます!
テレマン、ヘンデル、スカルラッティ、カベソン、そういった人たちの演奏も毎月1曲ずつ着実に増やしていますよ。
なんとひきつけられる音楽でしょう。ぐ~~っと一気に。作品力も演奏力も。
で、ながい音階もひだりて登りは12121212下りは343434?454545
右手の登りは343434下りは121212…!?
ありがとうございます!
音階の指使いは、
左の登り:121212
左の下り:343434
右の登り:343434
右の下り:323232
です。
これはバロック時代の標準的なもので、バッハも長男に作ってあげた曲にこの指使いを書き込んでいます。
八百板先生らしい演奏で,とても楽しめました,少なくとも最近の超特急の演奏よりもこちらの演奏の方を繰り返し聴きたいです.
また,先生の通奏低音でソナタを演奏したり,歌を歌ったりしたくなりました.もう少し時間に余裕ができたら,また見附に通います.
取り急ぎ,完成のお祝いまで.
嬉しいお言葉、ありがとうございます!
以前、何度か林先生と八百板先生の合奏や歌をお聞きしました。その時林先生が
退職された頃に、お二人で合奏や演奏をされるのかなと想像していました。
実現されるかもしれませんね。
そんな日が早くきますように。予想があたるかな?と嬉しい限りです。
それともう一つ、このブログでアランさんのお話が出ていました。
20年前、トーマス教会でアランさんのオルガン演奏を聴き、飛行場で偶然お会いして写真を撮らせていただきました。そんなことをこのブログが思い出させてくれました。楽しかったです。
アランさんと一緒に写真とは、私よりずっと国際的ですね!