桜の花はバロック芸術に通じる?(写真付き)
私のお城「見附チェンバロスタジオ」の隣家にある桜が満開です。
「素晴らしい」というか「何とも凄い」というか「ちょっと凄すぎる」というか「こういうのをグロテスクって言うんじゃないの?」と、見れば見るほど素直な感動から遠ざかっていくのですが。
昨年までは桜を見てもこんな風には感じなかったんですけれど、今年は梅と比べている私だから、基準が変わってしまったのかもしれません。それとも、年齢と共に感覚が繊細になったのでしょうか?
これが園芸種であって天然のものではないことはわかっていますが、ここまでくると「自然」という言葉から連想される自然さとは全然違うものになってしまっていますね。それでも見ずにはいられない、不思議な魅力に目が離せません。
この感覚、「確かに凄いんだけど、ちょっとやり過ぎだよね」という感覚、どこかで味わったと思ったら、郵送でお届けしているニュースレターで2年前の連載で取り扱った「バロック建築」と同じでした。建前としては古代ギリシャ由来の伝統を重んじながら、そこに強烈なコントラストや凹凸、うねる曲線や過剰な装飾などを山盛りにした、見る人の感覚を麻痺させる力を持ったバロック建築です。
「バロック」という言葉からさわやかなイメージを持つ人も少なくないですが、歴史的にはその前の整然としたルネサンスを否定した、強烈な表現が特徴なのです。バロックの次の古典派はまた整然としていますよね。その次の時代はロマン派。歴史は両極端に揺れ続けるのです。
特に海外から見ると、日本の花といえば桜なのでしょうけれど、桜が日本の美意識を代表するものかというと、どうなんでしょう? 茶道に代表される「わび、さび」の世界とは全然違いますよね。
近いものがあるとすれば、安土桃山時代の豪壮な障壁画なんかがそうでしょうか。そうそう、この時代の日本の美術は、国際的には「バロック美術」に分類されるんだそうですよ。当時のヨーロッパの最先端の芸術運動を宣教師たちが世界中に広めたんです。歴史的にもこれほど広範囲に世界中が一つの芸術運動の影響を受けたことは他には無いんだそうです。そういえば信長は安土城で南蛮人音楽家たちにチェンバロやヴィオラ・ダ・ガンバなどを演奏させていたそうです。いろんなものが、いろんな所でつながっていますね。
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青い空、桜、きれいでこんなの見れて嬉しいです。(゜))<<。簡単ですが送ります。
ありがとうございます。私も、見ていただきたくて写真を撮りました。
ありがとうございます。(゜))<<。
こんなにたくさんの花をつけているのは相当大きな、元気な桜ですね!
見上げる時間や天気によってもまた違う感じもするでしょうか?
先生はバロックの絵画を思われたのですね。
一度長野県松本市にある安養寺のしだれ桜をご覧になってください。
たくさんの巨木がありました。時間、人混み具合、天候などで感想も
いろいろでしょうけど。三回位見に行きました。角館とはまた違う感じでも
ありました。
コメントありがとうございます。
いろいろな所に行っていらっしゃいますね。松本の安養寺のしだれ桜、インターネットで検索してみてみました。見事ですね。