バッハのカンタータをひたすら聴いています(写真付き)

まだまだ25枚目ですけれど。

バッハ・コレギウム・ジャパンが演奏するバッハの教会カンタータ全集を買ったのは何年前だったでしょうか。55枚組ですからすごい分量です。約200曲です。今まで何度も「今度こそ全部聴くぞ!」と意気込んでは、そのたびに始めの1箱から2箱くらいで挫折していました。バッハのカンタータが嫌いだというわけではないのに。きっと気負いすぎなのでしょうね。「全部覚えよう」とか「隅々まで感動してから次に進もう」とか。

で、人生が無限に続くわけでないことを自覚した私は、今度こそ全部聴こうと再挑戦中なのです。

大切なのは気負わないことだと思うので、今までにない工夫をいくつか取り入れました。

まず、チェンバロスタジオへの通勤の車の中で聞き流すことです。チェンバロ運搬用に買った軽ワゴン車ですから運転中はあまり静かではありません。特に一番大切な通奏低音が全然聞こえません。でもいいことにしたんです。一日の中では、車の運転中が一番確実に時間を確保できますから。

次に、後ろのCDからさかのぼって聴くことにしました。再挑戦をまた1枚目から始めると、その辺はもう何度も何度も聴いた曲です。それよりも、買ってから一度も聴いていない5箱目から聴けば、何を聴いても新鮮ですから。

「聞き流す」といっても、全然知らない曲ばかりがひたすら続くのではこれも考え物です。そこで、聴き始めたところからどんどん知っている曲に変えてしまう次のような聴き方に落ち着きました。

1.初めてのCDをセットしたら、1つの楽章を3回程度リピート再生します。どの楽章も1分から数分ですから、通勤の片道の間に続けて数回聴くうちに、何となく覚えてしまいます。そうしたら次の楽章に進んで同じようにリピート再生します。

2.そうやって1枚のCDの最後のトラックまで聴いたら、今度は最初に戻って、CD1枚を通して3回聴きます。

こうすると、通して3回目くらいになると、どの楽章も「ああ、そういえばこんな感じの曲があった」と、多少は知っている曲という感じで楽しめるのです。

こんなふうにして約半年かけて25枚聴き終えたところですが、もちろん頭の中では25枚分の大量の曲がごちゃごちゃに混ざっています。でもいいんです。個々の曲に詳しくなる前に、まずは全部を「聴き覚えのある曲」にしてしまおうと思っているのですから。

 

さて、私はバッハを一人でチェンバロで弾くわけですが、バッハのチェンバロ曲の嬉しいことは、いろんな楽器に変身できることなんです。チェンバロを弾きながらヴァイオリン奏者になったりリュート奏者になったり、時には合唱団に変身することもあります。

バッハのカンタータには素晴らしい合唱曲がたくさんあります。バッハの合唱曲のほとんどは、合唱と同時に実に多彩な楽器がたくさん登場します。多くの人が力をあわせて一つの演奏を作り出すって、素晴らしいことですよね。そんな素晴らしい世界を、チェンバロ独奏でも体験できる曲がバッハにはたくさんあります。だから鍵盤楽器が弾ける人は、その素晴らしい世界をねたむ必要は全然ないのです。むしろたった一人でその素晴らしい世界に浸れるのは、鍵盤楽器を弾ける人の特権だと感謝したいものです。

つい先日収録したばかりのこちらの曲も、私の頭の中では合唱です。どうぞお聴き下さい。

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バッハのカンタータをひたすら聴いています(写真付き)” に対して4件のコメントがあります。

  1. Y.M. より:

    おはようございます。
    「後ろから、知っている曲にしてしまう」と書いてあるのを見て、ふと思い出したのですが、
    八百板さんの「超効率バッハ練習法」に「後ろから、ゆっくり練習」と書いてありますね。
    意外なところに共通点があるのが興味深いです。
    でも、車の運転中にバッハの音楽を聴いて、聞き惚れすぎて交通事故を起こさないように、
    どうかそれだけはくれぐれもご注意ください。

    1. 八百板 正己 より:

      ご心配ありがとうございます。
      よく知らない曲の、しかも通奏低音が良く聞こえない状況だと、車の運転の妨げにならないという事が分かりました。

  2. ban より:

    シンフォニア14番 B DUR は最新の講座の曲ですね。
    八百板先生と同じく拙の恩師・大森智子氏もインベンション&シンフォニアを全曲(Pf)録音したとき、「(シンフォニアの)14番が一番難しい」と仰せでした。
    また、確かに13番A DUR はとても合唱的な曲だと感じます。
    カンタータは、ながら鑑賞でも楽しく聴く事ができる。それをバッハも許してくれるんじゃないかな。

    1. 八百板 正己 より:

      コメントありがとうございます。「バッハの美しい弾き方講座」でもお世話になります。
      「シンフォニアの14番が難しい」とは、私が愛用しているバッハの鍵盤作品の解説書にも書いてありまして、「自分だけが難しいと思っているのではないんだ」とホッとしました。

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