条件が揃うまで待たない(写真付き)
私のお城「見附チェンバロスタジオ」の壁の一角です。一面真っ白な壁なので、絵や楽器などいろいろなものを飾っています。
左のヴァイオリンは、妻が音大の副科で習うために買って以来殆ど弾かずに壊れてしまっていたのを3年前に修理したものです。修理しても結局ほとんど使わないままだったのでスタジオのインテリアにしました。こうして壁に飾っておくと、時々気が向いて調弦したりする気にもなります。
中央の額は、もう15年くらい前に私が人生で初めて購入した版画です。新潟市在住の画家の作品です。
そして今日の話題が右の楕円形のもの。陶器とガラスでできた一輪挿しです。もうずいぶん前にもらって、そのままずっとしまってあったのを、つい先月、壁に飾ってみたものです。
一輪挿しですから、「スタジオでコンサートなどのイベントをするときに、花を一輪用意して飾ろう」と思っていたのですが、花を一輪きれいに生けるのって難しいし、経験がないから勇気が要ります。それに、大抵スタジオでイベントをするときは準備にてんてこ舞いで、花を一輪買ってくる余裕なんかありません。それで、ずっと使わずにいたのです。
でも、使わないのなら持っていないのと同じです。もったいないことです。そこで、花は生けなくても、そのままでも飾ったらきれいかな? と思って飾ってみています。これはこれで、壁が真っ白いまま空いているより、ずっとすてきだなと思っていますがいかがでしょうか?
そのうち、何かのついでに花を一輪活ける日も来ることでしょう。「ちゃんと一輪挿しの心得を勉強してから」なんて言わないで、とにかく始めながら少しずつ勉強も並行して進めれば、もしかしたらそれが私の趣味に発展する日も来るかもしれません。
こんなふうに、条件が揃うまで待ったまま何もしないでいるのって、もったいないですよね。そんな例をいろいろ思いつくままに挙げてみます。
曲が完璧に仕上がるまでは人前で弾かない。
曲が完璧に仕上がるのを待っていたら、人生が終わってしまいますよ。演奏というのは、不完全でも人前で披露する事を繰り返しながら上達していくものです。
もちろん、いい加減な練習で演奏を披露していいというのではありません。ベストは尽くします。でも人間のすることで完璧などありえませんし、家での練習だけを続けて完璧に近付いたとしても、本番の経験が少なければ本番の演奏はガタガタでしょう。
結局、本番であるレベルの演奏ができるようになるためには、たくさんの本番を経験しないといけないのです。この矛盾をしっかり認識することで開き直れます。
バッハのインヴェンションとシンフォニア全30曲を全部弾けるようになるまでは、フランス組曲も、イギリス組曲も、平均律も手を出してはいけない。ゴルトベルク変奏曲に至ってはベートーヴェンのソナタを全曲弾けるレベルになるまで手を出してはいけない。
ゴルトベルク変奏曲の中には、シンフォニア程度の変奏だってあるんです。むやみに「難曲」として崇め奉って敬遠しては、天国のバッハが残念がることでしょう。
立派な文章が書けるようになるまではブログやメルマガなんかを始めても恥ずかしい思いをするだけだ。
そんなことを言われると私も困ってしまいますよ。まあ、私はこのブログとメルマガを始める何年も前から、紙に印刷して郵送する月刊ニュースレターを書き続けていて、文章を書くことにある程度慣れてはいると思います。それでも、このブログは毎回、限られた時間の中でほぼ書きっぱなしです。書き終わった後に全体を見直すのに数分かける程度です。立派な文章からは程遠いですが、お伝えしようとする考え方がある程度お伝えできればいいと思って続けています。
じつは、これでもブログを書きながらあれこれ迷って手が止まってしまうんです。私が指導を受けたブログの講習会では、「ブログ1本を15分で書け」と言われました。今の私は30分から1時間です。ちゃんとした文章を書こうとするから時間がかかって、そのせいで投稿が1週間も空いてしまったりしています。本当は毎日でもお伝えしたいことがあるんです。
今度からもっとラフな文章になってでも、できるだけ頻繁に投稿しますね。
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綺麗です・・、一輪挿し。
そうですか?よかったです!
今度実物を見においでください。
すっきりとしたきれいな写真だなあと思いました。
ちょっと寂しい感じもしますが、きっと先生、あるいはそこで演奏される方の音楽で
満たされるのでしょうね。
条件が満たされなくとも、前に進んでいくのもありますがいつまでも渋滞しているのも
抱えています。
ありがとうございます。
写真はたしかに寂しいですね。この写真の右にも左にも下にも、全く違う景色が広がっていますが、ここだけ切り取るとこんな風に見えることに自分でも意外です。