講談社からヴァージナルの取材
東京から講談社の記者の方が取材に来ました。お目当てはヴァージナル。「講談社から音楽雑誌なんか出ていたかな?」と思ったらそうではなく、漫画雑誌「ヤングマガジン」の中でシェイクスピア周辺の女性がヴァージナルを弾く場面のための資料にするとのことです。
シェイクスピア周辺で演奏された鍵盤楽器としてヴァージナルを描く。うん、時代考証も正しいし、何と言ってもこんなマイナーな楽器を若者向けの漫画に描いてくれるなんて嬉しい! 西洋美術史に詳しい人ならバロック時代のオランダの画家フェルメールがいくつもの絵の題材に使っているのでヴァージナルのことを知っていたりしますが、音楽関係の人でもヴァージナルのことを知っている人はなかなかいないのですから。
取材では、まず楽器の写真をいろんな角度から撮りました。そして、本当は女性が弾いている姿を撮りたいという希望だったのですが、代わりに私が椅子に座ってモデルになりました。ヴァージナルはチェンバロの仲間の中でもとくに鍵盤の奥行きが狭いですから、古い時代の指使いを前提とした独特の手の構えを要することを説明しました。また、当時の肖像画でも間違えることがあったのですが、右手と左手があまりに離れた位置に置かれるような曲はこの当時はありませんでしたから、撮影中にヴァージナルを弾きながら、そんな説明もしました。
「ヤングマガジン」にこの場面が登場するのはまだ何ヶ月も先のことだそうですが、今から400年以上も昔のイギリスで奏でられていた古雅な響を連想させる、すてきなシーンが描かれることを期待しています。
ところで、そのヴァージナルの演奏をお聴きいただけるコンサートがもうすぐです。「4台の歴史的鍵盤楽器で楽しむ宮廷舞曲の300年」と題して、ヴァージナル、2台の2段チェンバロ、今年170歳のフォルテピアノを全部使います。間にお茶会を3回も挟んで、一つ一つの楽器の響を間近でじっくりとお楽しみいただけます。
コンサートの詳細をご覧下さい。ヴァージナルで演奏する曲目が当初のご案内より増えています。ご予約は八百板まで。心からお待ち申し上げます。
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どんなマンガになるのでしょうか?ヴェルサイユの薔薇が思い浮かびました!
イギリスのどこかの宮殿がもしかしたら?・・・楽しみにしています。
コメントありがとうございます。
無事に掲載されたら、その号を送ってもらえるとのことです。ただし、作家の気が変わるとその場面が無くなることもありうるそうですが。