お楽しみの選曲タイム
たまにはこういう贅沢も許されますよね。贅沢といっても、時間の使い方です。
「風岡優ヴァイオリン・リサイタル第2回」が終わってちょっと抜け殻状態になった私。ほんとうは遅れに遅れているビデオ教材の編集に専念すべきなんですが、レッスンやリサイタルの会計処理やお客様名簿の更新などをしているうちにもう一日の半分が過ぎています。それに乗じて、別に今日しなくてもいいんですけど、お楽しみの選曲タイムにしてしまいました。
来月の初めに、チェンバロ教室の秘密のパーティー兼発表会をします。講師演奏の曲を選ぶのは、いつも生徒さんの曲が出揃ってからにしているんです。なるべく生徒さんと別の作曲家の別のジャンルにしたほうが、生徒さんが「比較されて困る!」と思わないで済むでしょうから。
さあ、弾きたい曲が次々に浮かんできます。生徒さんが弾かない作曲家ということで、W.バード、J.P.スヴェーリンク、S.シャイト、J.J.フローベルガー、D.ブクステフーデ、J.デュフリ・・・。本当に好きなだけチェンバロを弾いていい、と言われたら、作曲家の数だけでもこの7倍も候補が上がりますよ。
でも、きりがないので、上記の作曲家から1曲ずつ弾いてみて、弾く曲を決めました。オルガンで弾くのがS.シャイト作曲:エコー(SSWV128)、チェンバロで弾くのがJ.J.フローベルガー作曲:組曲ホ短調(FbWV607)です。誰も知らないでしょう? でも教室の発表会なら「チケットが売れるか?」などと気にしなくても、好きな曲が弾けます。それに、チェンバロ教室の生徒さんにはぜひ知っていただきたい独特の世界ですから。
講師演奏もレッスンの一環です。バロック音楽には、指はそんなに難しくないのに、楽譜をなぞっただけでは全く音楽にならないという難解な世界があります。そんな知られざる曲を通して「音楽には指が速く動くことよりずっと大切なことがある」と分かっていただきたいのです。
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“発表会で、講師演奏の曲を選ぶのは、いつも生徒さんの曲が出揃ってからにしているんです”ーよく分かります。私の場合は比較されて困る、というのではなく、プログラムの流れや構成上、やはり空いたところに自分が入らなければ、と思うからですが、大概、プログラム作りや(プログラムはとても大事と思っていますが)最後は印刷までが精一杯で、自分の演奏(備え)のために残っている時間はほとんどなく、苦い経験、思い出が残っており、つい(共感して)コメントしたくなりました。やはり自分自身もちゃんと演奏出来るようにならなけけば、と思っています。”講師演奏もレッスンの一環です”と書かれてありました。励みにさせて頂きます。そして私の場合は、指も動くように、(もちろん内容も表現できるように)もう少し努力してみようと思っています。ありがとうございました。
家合さん、コメントありがとうございます。
講師演奏の練習が間に合わない苦い経験、思い出、私にもあります。どうにも間に合わないときには、私は心を込めて弾ける曲に差し替えて切り抜けていました。近年はあまりすごい曲は弾かないようにもしています。練習がたくさん必要なすごい曲は生徒さんに譲って、生徒さんを称えます。私は「指はこんなに易しいのに弾き方次第でこんなに芸術的になる」という選曲で、良く弾けない生徒さんを応援するようにしています。
本当にそうですね。ありがとうございました。