無料なのに
柏崎市内で演奏してきました。共演者は、ソプラノの風間左智さんとフルートの浅利守弘さん。いずれも新潟県随一のベテランです。
心配
さて、このコンサート、終わったので白状しますが、かなり心配だったのです。
会場は音楽専用には作られていない電力会社の広報施設。入場無料で、2時間の本格的なコンサートで、定員が130人から180人だというのです。
今までの私の経験ですと、入場無料のコンサートというのは客席が落ち着かないのです。お客様自身が大して期待もしないでふらっと立ち寄って、おもしろくなければ曲の途中でもお喋りを始めたり、席を立ってお帰りになったりするものです。
それなのに2時間のコンサート。しかも定員が130人から180人。客席の3列目くらいから後ろでは演奏中の私の姿は見えません。音が小さいチェンバロで、大丈夫なんだろうか?
すごい集中力
でも、そんな心配は全く、全く必要ありませんでした。チェンバロを見たことのあるお客様は少数のようでしたが、すごい集中力で聴き入ってくださいます。初めての楽器でも、バロック音楽の知識なんか無くても、すべてを丸ごと受け入れようという姿勢が伝わってきます。おそらく、お客様自身で絵画なり書道なり俳句なり、何らかの文化的なことに日頃から関わっているのではないかと感じられます。
地域の文化水準
前に何度か柏崎で演奏をした時にも、この文化的な雰囲気は感じました。地域の文化水準って、数字には現れにくいものですが、すごく重要なことではないでしょうか。
そういえば、ヨーロッパでの話を思い出しました。もし両親がクラシック音楽に全然関心がなくても、おじいさんがヴァイオリンをたしなみ、おばあさんがピアノを弾いたりして、子供たちは何の違和感も無くクラシック音楽を身近に感じながら成長すると。
今回のコンサートにも小学校中学年くらいの男の子が来ていました。この子も将来、柏崎の文化に囲まれていることで、クラシック音楽に違和感なく付き合ってくれるようになるでしょうか。
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