私のスタジオには4台の鍵盤楽器が所狭しと並んでいます。3台のチェンバロ族と1台のフォルテピアノです。さながら楽器博物館のようです。

ピアノが大抵の演奏会場に備えてあるのと違い、チェンバロは演奏会のたびに楽器を会場に運び込む必要があります。首都圏などではその都度チェンバロ製作家から優れた楽器を借りるということも行われていますが、私の住む新潟県ではそういう訳にもいきませんので、演奏会の本番に使える優れた楽器を用途に合わせて何台も所有することになります。3台ものチェンバロ族の楽器を所有しているチェンバロ奏者は日本中でも希な存在のようです。

フォルテピアノというのは、古い時代のピアノを現代のピアノと区別する用語として定着しています。スタジオ所蔵のこのフォルテピアノだけは大きくて重くて、私の力では運び出すことができません。