チェンバロ所有者しか味わえない稀有な体験をあなたにも
プロの鍵盤楽器奏者の心構えに迫るチャンス
あなたはピアノをお持ちですか?
調律師さんに来てもらったとき、作業開始からしばらくは調律ではなくて何やらゴソゴソやっているのにお気づきかもしれませんね。
じつは、調律よりもその前の「何やらゴソゴソやってること」のほうがずっと重要だったりするんです。「同じように打鍵すれば、同じような音が出る。」この当たり前のことがちゃんと機能するように、念入りに調整をしているんですよ。
ピアノという楽器は仕組みがあまりにも複雑で、専門家にしか調律もメンテナンスもできません。でもチェンバロは違います。調律は所有者が毎日することになります。
調律だけではありません。
- 弦をはじく爪は消耗品です。弱ったり折れたりすれば自分で交換するのです。出来合いの爪を差し替えれば済むわけではありません。音色や音量を聴きながら自分で百分の数ミリずつ削って微妙な調整を施します。
- 華やかな音楽を弾くときは鍵盤を連動させたりして複数組の弦を同時に鳴らしますが、その微妙な時差(百分の数秒)も自分で調節します。
- 季節の変わり目にはキーが動きにくくなったりしますが、それも自分で調整します。
- 弦の張り替えだって自分でします。
チェンバロを自分でメンテナンスする喜び
自分で何でもメンテナンスするチェンバロを「なんか面倒な楽器だな」と思いますか?
とんでもない! これは喜びなんです。この喜びを経験すると、音楽が根底から変わってきます。
たった一つの音を出すために、あの部品が百分の数ミリの精度で加工されて、この部品がしかるべきタイミングで動くように微調整されて、その部品がスムーズに動くように磨かれて・・・。
一つ一つの音を大切に思う気持ちが自然に湧きあがります。全神経を集中させて音に耳を傾けるようになります。
結果として、楽譜にある音を一つ一つ大切に弾くようになるのです。
この喜びをあなたも味わってください
この、チェンバロを自分でメンテナンスする喜びをあなたにも味わっていただきたくて、新しい講習会を企画しました。
チェンバロ・メンテナンス体験講習会
内容は以下のとおりです。所要時間は最長で5時間です。
- 【爪交換実習】
- 【鍵盤分解調整実習】
- 【撥弦時差調整実習】
- 【弦張り替え実習】(希望者先着4名様限定)
- 【ジャック磨き実習】
- 【響板清掃実習】
- 【調律実習(入門編)】
- 【4台の歴史的鍵盤楽器の試奏】
【この講習会を受講したあなたには、こんな変化が訪れるでしょう】
- チェンバロが音を出すための仕組みを全部調整してみることで、あなたは「楽器はただのブラックボックスではないんだ」と実感するでしょう。
- そして、チェンバロが発する一つ一つの音に魂が宿っていることに気が付き、チェンバロという楽器がとても身近に感じられるでしょう。
- その経験を通して、あなたが自宅でピアノを弾くときにも、キーの奥にある複雑な仕組みに思いを馳せるようになるでしょう。そして、指先でその仕組みを感じながら、一つ一つの音を大切に弾き、じっくり味わうようになるでしょう。
- 言い替えるなら、あなたは「プロの演奏家が楽器と向き合う時と同じ心構え」に迫ることができるでしょう。
他では得られない価値ある体験の数々
1.【爪交換実習】
カラスの羽です。これを、チェンバロの弦をはじく爪の材料にするんです。カラスの羽も小さいのはけっこう落ちていますが、かなり大きいものでないと弱くて使えません。
チェンバロの爪は消耗品です。今はプラスチック製の代用品が主流ですが、音にこだわるチェンバロ奏者(八百板もです)はそんな妥協はしません。大きなカラスの羽を見つけては拾ってストックしておきます。
カラスの羽の軸を薄く削って、幅2mm弱、厚さ0.5mmくらいの板状に切り出します。大体の大きさに切り出した後は、ジャック(爪を取り付ける木の細長い部品)に装着して実際に音を鳴らしながら、音量と音色を微調整します。
爪の根元が厚いと、無理にひねり出したような品のない音になります。爪の先が厚いと、倍音の少ないポテポテした音になってしまいます。根元も先も薄すぎると、音量が足りません。刃先で爪をなでるようにして削る微妙な作業が必要です。これで音の良しあしが全部決まってしまうのですから、大切な作業なのです。
最終的には、音域にもよりますが、爪の根元の厚さが0.3mmくらい、先端の厚さは0.1mmくらいになるんですよ。
じつは私、こういう作業が好きなんです。子供のころから物作りが好きでした。そんな性格が、チェンバロ奏者としての仕事に役立つなんて、子供のころには考えもしませんでしたけどね。
さあ、あなたもカラスの羽の軸を削って、チェンバロの爪を交換してみましょう。隣の音と同じ音量、同じ音色の爪を作れるでしょうか?(途中でギブアップしても、続きは八百板が引き継ぎますからご安心を。)
2.【鍵盤分解調整実習】
おっと、上鍵盤のキーが動きにくい! 繊細な曲だから繊細な上鍵盤で弾こうとするのに、これじゃ全然繊細に弾けない!
チェンバロを手に入れた当初は、こんなことが起こるたびに頭を抱えていましたっけ。でも今は大丈夫。大抵の症状は原因が分かっています。
ピアノに比べるとチェンバロの鍵盤はとても少ない部品でできていてシンプルです。そのぶん、デリケートな動きがそのまま音に直結するので、動きがスムーズになるように自分でよく手入れをする事が必要です。
特に冬場にキーが動きにくくなる原因の一つは、ガイドピンの錆です。チェンバロスタジオの中は、日中は暖房で暖かくても夜中にはかなり冷え込みます。一日の中での室温の変化が大きくなって、夜の間に湿度が上がって金属が錆びやすくなるんだと思います。
動きにくくなる、といっても、何となく雑に弾いたのでは気が付かない程度の微妙なことなんですけどね。でも、完全に脱力して最低限の指の動きだけで弾こうとするとキーがひっかかって音が出ない、というのはけっこうなストレスです。それに、楽器がそういう状態のときは音もよくないです。何というか、かすれたような雑音混じりの音がします。
さて、写真は上鍵盤を楽器から取り出して、キーを一本ずつ外しているところです。手前にずらっと並んでいるのがガイドピンです。
このガイドピンを、綿棒にオリーブオイルを付けてこすります。10本くらいこすると、もう綿棒が錆で黒っぽくなります。錆といっても、見ただけでは分かりません。でも綿棒でこすったときに、見ただけでは分からないほどわずかな錆のせいでほんの少しざらついた感触がするんです。そのざらついた感触がなくなるまでこすります。
全部のピンをこすり終わって、キーを戻して、試しにキーを動かしてみます。すると、さっきまではガイドピンの摩擦でキーキー音がしていたのが、ほとんど音がしないでスムーズに動くのが分かります。これで問題解決!
鍵盤を楽器にセットして、上鍵盤を弾いてみます。ああ、なんてスムーズに弾けるんでしょう! ストレスなくキーが動くって幸せ! それに音もきれい。やっぱりチェンバロの鍵盤はこうでなくちゃ。
どんな専門分野でもそうだと思うんですが、道具のコンディションって大事ですよね。動くべきところがちゃんと動く、出るべき音がちゃんと出る、それでこそ演奏に集中できます。楽器の不具合を庇いながらでは、まともな演奏はできないんです。
さあ、あなたもチェンバロの鍵盤を引き出して、キーを全部外して、ガイドピンを磨いてみましょう。作業の前と後で、キーの動きがどんなにスムーズに変わるか、比べてみてください。
3.【撥弦時差調整実習】
2段の鍵盤を連動させたら、ある音だけキーがすごく重くて弾けません! 下の鍵盤だけで練習していた時はスムーズだったのに・・・
チェンバロは小さな爪が弦をはじいて音を出します。はじく直前には、爪がたわんで抵抗が指先にかかります。とは言っても、1本の弦をはじくだけなら大した抵抗ではありません。
それが、上下の鍵盤を連動させて2組の弦を同時にはじいたり、さらに3組目の弦も鳴るようにセットすると、そのままでは抵抗がすごく大きくなって弾けないのです。
その対策として、同時にはじくタイミングがわずかにずれるように調節しておきます。こうすれば、指にかかる抵抗は時間的に分散するので、比較的なめらかなタッチで弾けるのです。これを「撥弦時差(はつげんじさ)」と言います。
ところが、何かの拍子にその時差がなくなってしまうと、その音だけすごく抵抗が大きくなって弾けなくなるのです。
写真は、ジャック(爪を取り付ける木の細長い部品)の下端に付いているネジを回して、撥弦時差を調節しているところです。ネジを回す分量は半回転とか1回転とかです。
逆に撥弦時差が大きすぎるのもいけません。遅い曲などでキーをゆっくり押したときに、1つの音なのに同音連打に聞こえてしまうからです。
ただ、撥弦時差が狂った時に、安易にジャックのネジを回してしまうのはダメなんです。新しく交換した爪が前より厚かったり薄かったりしているとか、キーのガイドピンに錆が生じているとか、他の原因の結果として撥弦時差が狂うことのほうが多いからです。
このあたりの見極めができるようになるまでは、私もさんざん楽器調整に振り回されていましたっけ。
さあ、あなたもジャックのネジを回して、撥弦時差調整をしてみましょう。調整の前と後でタッチがどんなに変わるか、比べてみてください。
4.【弦張り替え実習】(希望者先着4名様限定)
チェンバロの弦も時には切れます。さあ、どうすればいいでしょうか?
東京や大阪など大都市圏なら、チェンバロ製作家に電話すればすぐ来てくれます。でも、私が住む新潟ではそういうわけにはいきません。
かといって、地元のピアノ調律師に頼めることでもありません。実際、アマチュアのチェンバロ所有者さんたちから「自分のチェンバロの弦が切れたけれども、どのピアノ調律師に頼んでも直してもらえなかった」という話は何度も聞いています。
ということで、私は自分で弦を張り替えます。過去40年近くの間に何十本も張り替えましたから慣れたものです。
チューニングピンを緩めて引き抜き、古い弦を外し、ノギスで弦の太さを測ります。一台のチェンバロに使われる弦は太いものから細いものまで10種類以上が使い分けられています。弦の太さを測るのには本当はノギスでは精度が足りなくてマイクロメーターがあるといいのですが、まあ太さの絶対値が精度良く測れなくても、比べる対象が手元に現物として揃っているのですから大丈夫です。
あるチェンバロ製作家からは「太さは測るより指でつまんでみれば同じ太さの感触のものを見分けるのは簡単だ」という話も聞いています。私の場合、けっこう手に汗をかきやすいので、そこらじゅうのスペアの弦を汗で錆びさせてしまう問題がありますけどね。
普通は弦の先端に結び目を作ってあるものをチェンバロ製作家から一式譲り受けて使うのですが、この一番切れやすい太さの弦は、私があまりに何度も何度も製作家に送ってもらうように頼んでいたら、ある時ついにリールのまま届きました。なので、この太さの弦の結び目はいつも自分で作ります。
弦の結び目を作るのには、ある程度の経験と知識が必要です。しっかりと力を込めてきつく結ばないと、楽器に張って調律を始めるとどんどん緩んで、最後には結び目がほどけてしまいます。私も始めのうちは、1本の弦の結び目を作るために2本は失敗したものです。
成功の秘訣は、結び目を作るときに弦を交差させる角度にあるんだと、ある時に気が付きました。それ以来、私はこの作業で失敗したことはほとんどありません。
こんな、どこにも書いてないノウハウを人知れず持っているというのも、気分がいいものですよ。
さあ、あなたもチェンバロの弦の張り替えに挑戦しましょう。私が横にいて手取り足取り教えますから大丈夫です。
5.【ジャック磨き実習】
今から20年くらい前だったと思います。高名なチェンバロ奏者氏から、チェンバロの音を劇的に美しくするための「秘密の工作法」を仕入れてきました。
それは「チェンバロの可動部分をすべてピカピカに磨き上げる」というものです。
その頃の私は、自分のチェンバロの上鍵盤の音が、何となくざらついている、というか、濁っている、というか、そんな印象を持って悩んでいました。
そこで、そのチェンバロ奏者氏から教わったことを試してみることにしたのです。
上鍵盤のジャック(爪を取り付ける木の細長い部品)を抜いて、教わった通りに表面をまず荒めの紙やすりでこすり、次に細かい紙やすりで丁寧にこすり、最後に鹿革でピカピカに磨き上げました。
効果は絶大でした。ジャックがスムーズに動くことで、弦をはじく瞬間の爪と弦の相互作用もスムーズになり、結果として濁りのない艶やかな音に生まれ変わったのです!
と喜んだのも束の間でした。1ヶ月ほどすると、上鍵盤のタッチが部分的にとても重くなって、非常に弾きにくくなったのです。
私はタッチが重くなった上鍵盤のジャックを抜いて指で撫でてみました。
なんと、あんなにすべすべだったジャックが、指が引っかかるほど抵抗があるのです! 確かにピカピカではあるのですが、まるで滑り止めの塗装でも施したかのようです。
私はジャックをまた鹿革でこすってみました。すると、すぐに元のすべすべ状態に戻り、音も元の艶やかさを取り戻しました。
原因はいまだに謎ではあるのですが、私の推測ではこうです。
木でできたジャックは水蒸気を吸収したり放出したり、いわば呼吸しています。その過程で、空気中の汚れや埃が表面に付着するのです。今まではジャックの表面が比較的ザラザラだったので、ジャックは楽器本体とは点で接していたようなものと言っていいでしょう。汚れや埃で少々滑りにくくなっても、点接触なのでそれほど影響がなかったのだと思います。
それが、ジャックをピカピカに磨き上げたことによって、楽器本体と「面」でしっかり接するようになったのです。わずかな表面の摩擦の変化が、タッチに大きな影響を与えるようになったのでしょう。
というわけで、濁りのない艶やかな音と引き換えに、私は上鍵盤のジャックを鹿革で磨く作業を定期的におこなっているのです。
さあ、あなたも鹿革でジャックを磨いてみましょう。磨く前と後とでタッチや音がどう変わるか、比べてみてください。
6.【響板清掃実習】
けっこう固めの毛のブラシで、響板をこすります。ちょっと手荒でしょう?
でも大丈夫。この程度では響板に描かれた花の絵は傷ついたりしません。それより、これをしないと大変なことになります。
カビが生えるんです。
ふたを開けてチェンバロを弾いていれば、響板には埃がたまってきます。埃は湿気を集めます。湿気のあるところにはカビが生えます。響板は塗装していない木なので、カビが木の内部にしっかり根を張ってしまいます。こうなると、こすったくらいではカビは落ちません。
じつは、私が18歳の春に大学の合格祝いに買ってもらった練習用の小さなチェンバロは、そうやって響板にカビの跡が何十か所も残ってしまったのです。
その後、写真のチェンバロに買い替えてからは、こうして定期的に埃を取ることにしているわけです。
響板には全面に弦が張ってあるので、ブラシを動かせるのは弦に沿った方向だけです。すぐにブリッジ(弦の振動を響板に伝える斜めの木)のところに埃が集まってしまいます。
そこで、写真には写っていませんが、掃除機で吸い取りながら、ブラシで埃を跳ね上げるように動かします。こうすると、軽い埃だけでなく、消しゴムのカスとか、カラスの羽の屑とかの固形物も取り除けるのです。
初めはもっと毛の柔らかいブラシを使ってみたのですが、埃が響板に付着すると取れないし、固形物も取れないんですよね。
理屈から言えば、響板にカビが生えたからって、音に影響は無いんだと思います。でも、やっぱり気分が良くないですよね。
さあ、あなたもちょっと手荒な響板清掃を体験しましょう。
7.【調律実習(入門編)】
数あるチェンバロ調整作業の中でも、調律をするのは最後の最後です。
まず、そもそも音が出るように爪を直さないことには始まりません。それから、スムーズに音が出るように、タッチが滑らかになるように、など多くの作業を経て、やっと音を合わせる段階に達するのです。
「チェンバロって、自分で調律しなきゃいけないから大変ですね」とよく言われます。いえいえ、これも楽しい作業なんですよ。楽しいだけでなく、じつはとっても重要です。
私はもう40年近くも自分の楽器を毎日のように調律してきました。だから今ではお喋りをしながらでも調律できるくらいに慣れています。
それでも毎回、楽器に息を吹き込む儀式のようなものとして、調律をしていると心が落ち着くとともに気持ちが引き締まるのです。
あなたがピアノをお持ちなら、「自分で調律しなくて済むのは便利だ」と喜んでいらっしゃるでしょうか。でも、便利と引き換えに、貴重な成長のチャンスが奪われていることは知っておいてください。
調律してもらうと、まるで別の楽器のように美しい響きに生まれ変わるでしょう?
でも、調律の前日(つまり最も音が狂っている状態)に、「狂いが気になって気になって練習できない!」と思う人は少ないようです。
つまり、1年間かけて少しずつ狂う調律によって、その狂った音に慣らされてしまうんです。言い方を変えれば、音の狂いに鈍感になるのです。
これがもし、調律して美しい響きに生まれ変わった1週間後に1年分の狂いがいっぺんに生じたら、きっと狂いが気になって我慢できないと思いますよ。
音の狂いに鈍感になると、タッチによる音色の違いにも鈍感になります。強弱にも鈍感になったりします。つまり、全神経を集中させて音に耳を傾けることをしなくなるということです。結果として、演奏は表面的に、無味乾燥になります。
実際、アマチュア時代の私はその罠にはまった経験があります。調律が面倒になって、チェンバロのふたを閉めて、音の狂いが気にならないようにして練習した時期がありました。結果として、自分が出している音を聴かなくなって、ただの指先のスポーツと化したのです。
時々、「ピアニストはヴァイオリンやフルートなどの旋律楽器奏者よりも音楽が冷たい」とか「歌い方が足りない」「無機的だ」なんて言われることがあります。これも元をたどっていくと、無意識とはいえ「音の責任を全部自分で負わずに調律師のせいにできてしまう」のも原因の一つなのだと、私は考えているのです。
もちろん、ピアニストにも音に敏感な人はたくさんいて、こだわる人は調律師にダメ出ししまくっているそうです。そう、プロを名乗るなら、そのくらいじゃなきゃ!
便利と引き換えに失う成長のチャンスを、何らかの形で補うように意識したいものですね。
さあ、あなたもチェンバロの調律にチャレンジしましょう。「ユニゾン合わせ」という作業なら、調律初経験でもできますよ。
8.【4台の歴史的鍵盤楽器の試奏】
さあ、あなたのこの日の頑張りの総決算です。ご自分でメンテナンスしたチェンバロを弾きましょう。
- 「この音は私が爪を交換した」
- 「この上鍵盤は私がガイドピンを磨いた」
- 「この音はユニゾンが狂っていたけど私が調律した」
その思いがあれば、今までになく一つ一つの音をじっくり味わって、響きの細部まで聴き届けようとすることでしょう。「楽器を奏でる」ということの本当の深さを知るでしょう。
それだけではありません。
私のチェンバロスタジオには、3台のチェンバロと1台のフォルテピアノがあります。せっかく遠くからチェンバロスタジオにいらっしゃるのですから、あなたがメンテナンスする楽器だけでなく、残りの楽器もすべて試奏できるように準備します。
いずれも劣らぬ4台の歴史的鍵盤楽器をご自分の手で弾いて味わってください。
今回はこんな特典もお付けします
【特典1:ご同伴者様無料ご招待】
もしあなたのご家族やお友達もチェンバロの仕組みに興味があるのでしたら、今回はあなたのご同伴者様を何名様でも無料でご招待します。ぜひ興味のあるお仲間を募って、楽しくお過ごしください。
新潟観光を兼ねていらっしゃるのもいいですよ。冬の雪景色、春の田植え、ゴールデンウイーク、夏の花火、お盆休み、一面の黄金色に実った稲の刈入れ、秋の紅葉・・・。
今から1年先までご予約を承りますから、楽しい旅の計画を立ててください。
【特典2:八百板によるミニ・コンサート】
当日、もしご希望でしたら、私もあなただけのために弾いてもいいです。チェンバの音は録音が非常に難しく、あらゆる楽器の中で最も録音技術者泣かせの楽器の一つらしいです。チェンバロの最も美しい音は、響板のすぐ上で聴く音なのです。響板を覗き込むようにして天国的な響きをシャワーのように浴びる贅沢は、こういう場でしか絶対に経験できません。
【特典3:八百板による個人レッスン】
当日、時間に余裕があれば、あなたに個人レッスンをしてもいいです。ちなみに私のチェンバロ教室は今、新規の生徒の受け入れを停止しています。私から個人レッスンを受けようと思えば、今のところこれが唯一の方法です。
あなたにとって、どれくらいの価値?
あなたがチェンバロをお持ちでないなら、チェンバロの内部をこんなに触ることのできる機会をどうやって見つければいいでしょうか?
- チェンバロを持っている愛好家と仲良くなるのはどうでしょうか? ⇒愛好家で自分の楽器をここまでいじれる技術を持っている人はほとんどいないはずです。
- プロのチェンバロ奏者と仲良くなるのはどうでしょうか? ⇒プロでさえ、自分でカラスの羽から爪を削り出す人は少数派のはずです。世界的にプラスチック製の代用品が幅を利かせていますから。特に東京や大阪など大都市圏のチェンバロ奏者には期待できないでしょう。なぜなら、チェンバロ製作家に電話すればすぐ来てくれるので、自分で腕を磨く必要がないからです。
- チェンバロを所蔵している音楽ホールの関係者と仲良くなるのはどうでしょうか? ⇒そういう所は既定の業者以外には絶対に中を触らせません。何かあった時に責任を問われるのを嫌いますから。
- 今ではだいぶ増えてきた「チェンバロ付き貸しスタジオ」ならどうでしょうか? ⇒せいぜい調律の手直ししか許されないはずです。それも、調律の経験者限定で。
つまり、普通に考えればチェンバロを持っている人しか味わえない価値ある体験を全部、私はあなたに提供しようというのです。
それだけではありません。
- チェンバロが音を出すための仕組みを全部調整してみることで、あなたは「楽器はただのブラックボックスではないんだ」と実感するでしょう。
- そして、チェンバロが発する一つ一つの音に魂が宿っていることに気が付き、チェンバロという楽器がとても身近に感じられるでしょう。
- その経験を通して、あなたが自宅でピアノを弾くときにも、キーの奥にある複雑な仕組みに思いを馳せるようになるでしょう。そして、指先でその仕組みを感じながら、一つ一つの音を大切に弾き、じっくり味わうようになるでしょう。
- 言い替えるなら、あなたは「プロの演奏家が楽器と向き合う時と同じ心構え」に迫ることができるでしょう。
いかがですか? あなたにとって、この体験はどれくらいの価値になるでしょうか?
もしチェンバロを購入するなら、装飾皆無の小さな1段チェンバロでも98万円は必要です。2段チェンバロなら装飾皆無のビギナー向けモデルでも250万円、普通は300万円では買えません(久保田チェンバロ工房のホームページより)。
ご安心ください。この講習会はそこまで高額ではありません。しかも今回は「クリスマス・セール」で、なんと50%オフです。
チェンバロ・メンテナンス体験講習会
内容は以下のとおりです。所要時間は最長で5時間です。
【内容】
- 爪交換実習
- 鍵盤分解調整実習
- 撥弦時差調整実習
- 弦張り替え実習(希望者先着4名様限定)
- ジャック磨き実習
- 響板清掃実習
- 調律実習(入門編)
- 4台の歴史的鍵盤楽器の試奏
- 特典1:ご同伴者様無料ご招待
- 特典2:八百板によるミニ・コンサート
- 特典3:八百板による個人レッスン
【会場】
見附チェンバロスタジオ(新潟県見附市本町4-3-9)
【講師】
八百板正己
【日時】
2025年1月から12月までの間でご都合のいい日時を別途ご相談(所要時間最長5時間)。各月2名様までのお申し込み先着順で調整します。
【受講料】
講習内容 | 価格 |
爪交換実習 | 20,000円相当 |
鍵盤分解調整実習 | 10,000円相当 |
撥弦時差調整実習 | 6,000円相当 |
弦張り替え実習(希望者先着4名様限定) | 10,000円相当 |
ジャック磨き実習 | 3,000円相当 |
響板清掃実習 | 3,000円相当 |
調律実習(入門編) | 10,000円相当 |
4台の歴史的鍵盤楽器の試奏 | 50,000円相当 |
特典1:ご同伴者様無料ご招待 | 計算不能 |
特典2:八百板によるミニ・コンサート | 10,000円相当 |
特典3:八百板による個人レッスン | 8,000円相当 |
価値の合計 | 130,000円相当+計算不能分 |
クリスマス・セール特価 | 今申し込めば 59,800円 |
日程変更完全保証
あなたはこんな心配をしていらっしゃるかもしれませんね。
- 「体調が悪くなったらどうしよう」
- 「急用で行かれなくなったらどうしよう」
- 「冬の新潟なんて、雪で交通がストップしたらどうしよう」
ご安心ください。おいでになる日程は、何度でも変更OKです。
たとえば冬にいらっしゃる予約をしたのを、春や夏に延期しても、それどころか何年先まで延期しても、追加料金なんかいただきません。
土壇場で来られなくなったって、私はチェンバロの練習時間が増えるだけですから、何の問題もありません。
どうぞ安心してお申し込みください。
今までと同じ未来でいいですか? それとも・・・
- 「ピアノもチェンバロも、一つの音を出すためだけに多くの部品が精密に関係して、ただのブラックボックスではない」
- 「音が出る複雑な仕組みに思いを馳せることによって音に魂がこもる、それがプロの弾き方だ」
このことを知ってしまった上で、あなたがどうなさるかは、あなたが決めていただくことです。「音が出さえすれば、中の仕組みなんて関心がない」という人のほうが圧倒的に多いであろうことは私にも分かります。
あなたは、どうなさりたいですか?
もしあなたがチェンバロの内部の仕組みとメンテナンスの方法、その理解から得られる「プロの演奏家が楽器と向き合う時の心構え」に関心を持って下さったなら、あなたの前には2つの道があります。
- ひとつは、ご自宅のピアノを調律するときに調律師にいろいろ尋ねてみたり、学術書やインターネットを使ったりして、自分でコツコツ情報収集する方法です。私自身そうやってチェンバロを所有してからの40年近くを費やして必要な知識と技術を身に付けてきました。勉強熱心なあなたもきっと成し遂げられるでしょう。
- もうひとつは、もっとずっと早くて簡単な方法です。私が持つすべての知識とノウハウを、私のチェンバロスタジオで、私から直接丸ごと受け取れます。この講習会には私が知っていることを全部詰め込みました。あなたは最短、最小の努力で、「プロの演奏家が楽器と向き合う時と同じ心構え」に迫ることができます。
今から1年先までご予約を承ります。今回はご同伴者様は何名様でも無料ご招待です。
ただし、「クリスマス・セール50%オフ」でのお申し込みは、12月25日の23:59で締め切ります。
ぜひお早めにお申し込みください。
追伸
あなたがもし音楽教室などで教えていらっしゃるなら、この講習会の受講料、新潟までの交通費、宿泊費は全部経費として計上できます(確定申告の収支内訳書で、費目の空欄に「研修費」と書く)。ご自身の音楽的成長のために、50%オフのこの機会を有効にご利用ください。
再追伸
おいでになる時期は、2025年1月から12月までの間でご都合のいい日時を別途ご相談しましょう。
ただし、各月2名様までのお申し込み先着順で調整します。なぜなら、一度全面的にメンテナンスしたすぐ後においでになっても、まだどこも調整する所がないからです。どうせなら、あなたの調整のおかげで楽器が蘇るほうが嬉しいですよね?
ということで、新潟観光をからめておいでになるなら特に、早めに権利を確保なさることをお勧めします。
今から1年先までご予約を承ります。今回はご同伴者様は何名様でも無料ご招待です。
「クリスマス・セール50%オフ」でのお申し込みは、12月25日の23:59で締め切ります。
ご来場月の調整はお申し込みの先着順です。ぜひお早めにお申し込みください。