コントロールできないことは期待しない

このところ、妻との会話はもっぱら夏の旅行計画のことで占められています。旅行の計画を立てるのって楽しいですよね。もしかしたら旅行そのものよりも夢が膨らんで楽しいかもしれません。

二泊三日で信州に、ということはすぐ決まりましたが、その先がなかなか。「信州」と聞いて思いつく場所はたくさんありますが、あらためて地図を見てみると、長野県って広いんですね。新潟県も広いですが、長野県は長さだけでなく幅も広いです。欲張りすぎると、結局三日間車を運転して終わり、なんていう事になりかねません。

それで、憧れの場所を次から次へと切り捨てて、だいたい長野県の真ん中あたり、というところまで絞り込みました。

次は旅のルートをどうするかです。初日はどこを見てどこに泊まるか。朝から行動できる二日目はどこを見てどこに泊まるか。最終日はどこを見て帰ってくるか。

旅のガイドブックには「何々高原」「何々湿原」「何々牧場」と、魅力的な地名が抜けるような青空の美しい写真とともに満載です。でも、雨が降ったらどうなるの?

そのことを考え出したら、楽しいはずの旅行計画作りが、とたんに重苦しい雰囲気に変わります。「初日に高原に宿を取ったら大雨で、二日目に街中に宿を取ったら快晴の猛暑になったら後悔するに決まってる・・・」「最悪、三日間ずっと雨だったらどうしよう・・・」心配し出したら、次から次へと最悪のシナリオばかりが頭に浮かんできます。

こういう時の要点は、どっちに転んでもいいような柔軟性をもった計画にする事です。

ごく簡単に言えば、天気がいいときのための目的地と、雨の日でも楽しめる目的地をそれぞれ三日分ずつ選んでおいて、それらの中間地点に宿を取るんです。あとは行った先で天気を見ながら決めればいいんです。

 

この考え方は、私は旅行とは全然関係ないところから学びました。危機管理と、そのための心構えからです。

要点を一言で表すとこうなります。「自分がコントロールできないことは期待するな」

旅行の日に天気がどうなるかは私にはコントロールできません。だから、「旅行の日は晴れますように」と願ったって無駄です。でも、抜けるような青空の何々高原の夢を諦められないから「自分は晴れ男なんだから、きっと晴れるさ」なんて言って自分を納得させようとしますが、実際雨が降ったら残念です。残念だけど、自分の計画が悪かったとは認めたくないので、何だかんだと他人のせいにしたり、果ては周りの人に当たり散らしたりします。そんなことのために旅行するんじゃないのに。

一方、どんな天気になっても楽しめるように計画を工夫する事は、完全に私のコントロール下にあります。自分ができることだけを着々とこなし、その先は諦めるのではなく、その先はどちらに転んでも満足、という状況を用意しておくのです。

 

コンサートだって同じです。

たくさん練習するのは、本番で素晴らしい演奏をするため、ではないのです。本番で素晴らしい演奏ができる確率を高めるためです。実際に素晴らしい演奏ができるかは完全には私がコントロールできることではありません。

立派なチラシを作るのは、大勢のお客様に来ていただくため、ではないのです。大勢のお客様に来ていただける確率を高めるためです。お客様一人一人のご都合は私がコントロールできないことです。でも、立派なチラシを作ることは完全に私のコントロール下にあります。だから、立派なチラシを作って多くの方に届けるところまでは期待もするし頑張ります。その先のことは期待しません。

立派なチラシを多くの方に届けて、それでもお客様がとても少なかったら? 客席が固定されていないのならサロン風に楽器を囲むようにゆったりと並べたり、お客様一人一人と親密にお話しするなどして、お客様が少ないからこそ実現できる素敵な雰囲気を作り出すことだってできるのです。

これで、人生のどんな悩みも心配もすべて消えてなくなります。「期待は苦しみの根源」とはよく言ったものです。

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コントロールできないことは期待しない” に対して1件のコメントがあります。

  1. Y.M. より:

    一家お揃いで夏休みの旅行ですか。羨ましいです。
    それはさておき
    「自分がコントロールできないことは期待するな」というのは、前から
    八百板さんのブログで読ませていただいたことだと思います。
    「自分がコントロールできないことに対して、被害者意識を持つな」
    というような趣旨だったと思います。

    1. 八百板 正己 より:

      以前のブログを覚えていてくださって嬉しいです。
      ブログが何度も同じような結論に行き着いてしまっているのは、私がいつも考えていることだからでもありますし、「真実の数はそんなに多くはない」ことの表れでもあるかもしれませんね。
      これからもどうぞお付き合い下さい。

  2. 塚田泰司 より:

    私は、長野県の生まれです。長野にも楽しい所がいっぱいあります。
    すばらしいご家族の旅行になりますように!!

    1. 八百板 正己 より:

      そうでしたか。長野県のご出身でしたか。
      もともと、私は長野県に憧れがあります。山や空の感じが湿っていないというか、さっぱりした印象です。これからの人生で何度も何度も訪れたいです。

  3. T.H より:

    私の家族旅行も最初は長野県でした。まだ高速道路はなかったようです。
    パソコンもなしの頃でした。地図だけ頼りでしたが飯田市まで行きました。
    その後も何回か出かけました。

    夏にはどうぞ楽しい旅行をされますように!!

    1. 八百板 正己 より:

      私もどこかへ出かける前に地図を確認するのは今でも習慣です。
      地図を見るのが好きだということもあるでしょう。
      ちょうど娘が社会科の教材として地図帳を配られて、新潟県や長野県を見て知っている地名を探して喜んでいます。

  4. T.A より:

    いわさきちひろの松本の美術館は是非行って欲しいです。

    1. 八百板 正己 より:

      ありがとうございます。インターネットで調べてみました。すてきなところですね!

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