手先の技で困難を克服

この寒いのに、全身冷水でびしょ濡れになって格闘しました! 話が長くて、なかなか結論にたどり着かないと思いますが、お付き合い下さい。

数日前から、風呂場の蛇口(混合水栓のクランクナット部、と言っても分かりませんよね)から水が漏れるようになったんです。日を追うごとにどんどん漏れるようになり、妻に急かされて、とりあえず応急処置を試みました。

じつは私はこういうことが好きなんです。子供のころに模型工作に熱を上げ、大学は工学部機械工学科に進みながら趣味で天体望遠鏡を自作した工作好きの血が騒ぎます。

蛇口周りのナットはけっこう径が大きくて、普通のレンチでは回せなかったりします。でも、たしか以前に娘の自転車をいじったときに、開きの大きな特別のモンキーレンチを買ったはず。普段使わない工具をしまっておく箱の中にありました。早速、水が漏れているところのナットを締め付けてみました。

ところが・・・

ナットを締めたら、よけいに水漏れがひどくなるではありませんか。これは応急処置ではダメだ。中のゴム製のパッキンが劣化しているんだ。でももう夜遅く、ホームセンターも閉まっています。対策は明日に持越しです。

そして翌朝、ホームセンターの開店と同時に水道用品売り場に行って、係の人に聞いてパッキンを買って帰りました。種類を間違えるといけないからと、パイプの外径をノギスで測っていきましたが、全メーカー共通で1種類しかないんですね。あとは家の水道の元栓(止水栓といいます)を閉めて作業開始。

と思ったら、止水栓が見当たりません。

家の前の歩道に水道メーターが埋められている所の四角い金属蓋を開けてみても、中にあるのは水道メーターだけ。近くに「止水栓」と彫られた丸い金属蓋が3つ並んでいますが、どれも豪快に錆びていて、何をしてもびくともしません。

仕方ないので水道局に電話しました。水道局の人は「水道メーターに止水栓が付いているでしょう?」と言いますが、ない、と答えると「では、よほど古いものかもしれないので、これから担当者を見に行かせます」とのこと。

水道局の人に水道メーターを見せると「ああ・・・」と残念そうな返事です。そんなに残念なことなの? 不安がよぎります。

話によると、水道メーターとは別に作られた古い止水栓は、配管業者の専用工具がないと回せないだけでなく、そこを回すと何かと水漏れの原因になるので、水道局としてはそこを回さないでほしいというんです。

そのかわりに「止水栓つきの新しい水道メーターに取り替える工事をして下さい」といいます。工事をしてくれって言っても、歩道を掘り返す大工事です。今風呂場の水漏れを直そうっていうのに、それは無いでしょう?

水道局の人いわく「または、家じゅうの蛇口を全部開いて水圧を下げれば、水を止めないで作業することもできますよ」とのこと。そうか、その手があったか。もっと早くそれを言って下さい。

で、覚悟を決めて作業開始です。

家じゅうの蛇口を全開にして、替えのパッキンとモンキーレンチを風呂場に持ち込み、私自身は裸になり、問題の混合水栓を取り外しました。水が漏れていたほうのパッキンは見事にボロボロです。私が応急処置で締め直したことで、よけいに破れてしまったのです。

そう思っている間にも風呂場じゅうに水が勢いよく飛び散り、冷水が体にかかって冷たいです。さあ、かなりの勢いで水が吹き出しているところに、吹けば飛ぶような小さなパッキンをちゃんと取り付けられるでしょうか?

これがけっこう大変でした。時間にすれば数分だと思うのですが、体に冷水が勢いよくぶつかって寒いし冷たいし。それに、もし「ダメです、諦めます」となったら、配管業者に来てもらって禁断の古い止水栓を閉めてもらうまでの何時間か、または何日か、我が家の水は全開で出しっぱなしになるんです。ナットのねじの最初の一山を無事引っ掛けるまでは気が気でなかったです。

結果は?

はい、成功でした。見事に水漏れは直りました。困難に立ち向かい、手先の技と勘を動因して克服した達成感です。

 

身に付けた手先の技と勘を動員して、自分の物を自分で直すって、気持ちがいいですね。私は自分のチェンバロのメンテナンスはすべて自分でしています。弦が切れても、爪が折れても、押したキーが戻らなくなっても、爪が弦の上に乗ったままになって次の音が鳴らなくなっても、爪が空振りするようになっても、特定の音に変な共鳴音がかぶさるようになっても、全部自分で直します。

仕組みが分かっていると、何が起こっても安心できます。こうした不具合は、コンサート会場に楽器を持ち出したときによく起こるので、対策を知らないとパニックです。

そういう私もかつてはパニックでした。だってお客様を待たせたまま、開演時間を5分10分と過ぎていくんですから、それは焦りますよ。

一つ失敗するごとに、一つ賢くなって、たくさんたくさん失敗して今の私がいます。

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手先の技で困難を克服” に対して1件のコメントがあります。

  1. T.H より:

    1月23日(水)新潟は只今曇りです。昨日の最高気温は5度、
    今日は8度だそうです。ご自宅の水道作業で風邪などひかれませんように!

    1. 八百板 正己 より:

      お心遣いありがとうございます。
      達成感で免疫が高まりましたから、風邪なんか平気です!

  2. 大滝里美 より:

    この寒い季節に😵大変な作業でしたね。
    でも、全てご自身で解決されたのは驚異的です!仕組みがわかれば・・・というところは同感ですが、実際に作業されるのは冷たいし寒いし命がけのことだったのではないでしょうか。
    どうぞ温かくして御自愛くださいね。

    1. 八百板 正己 より:

      ありがとうございます。
      「命がけ」というほど冷たくはありませんでしたが、作業をやりかけたまま直せない事態を思うと心配ではありました。
      作業が終わって、すぐに熱いシャワーをたっぷり浴びました。

  3. Y.M. より:

    お疲れ様でした。
    八百板さんがチェンバロのメンテナンスをご自分でなさっていることは、
    「チェンバロの弦の張り替え」の記事などで知っていましたが、
    水道の不具合までご自分で修理してしまわれるとは驚きました。
    「自分の手で直せる」というのも、木でできた楽器ならではと思います。
    ブラックボックスのような電子楽器が故障したら、修理できないでしょう。

    1. 八百板 正己 より:

      おっしゃるとおり、木でできた楽器だから自分で直せます。ヨーロッパでは500年前に作られたオルガンが修理され続けていまだに現役ですからすごいですよね。
      ホームセンターを隅々まで見て回ると、「こんなことまで自分で直せる人がいるのか?」と驚くほど、いろんなものが売っています。私は水道の部品交換をしたくらいですが、上には上がいるものですね。

  4. 家合映子 より:

    “見事に水漏れは直りました。”のところで、私も嬉しくなりました。(゜))<<。

    1. 八百板 正己 より:

      共感してくださって嬉しいです!

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