自分で自分を褒める自動化システム

チェンバロ教室の生徒さん向けに毎月発行している「チェンバロ教室通信」の4月号を発送しました。これは2003年10月から続けているもので、途中4回だけ発行できませんでしたが、今月で170号です。

毎月これの発行時期になると必ずする作業があります。チェンバロ教室ではレッスンの時間に「5分間音楽史」というものを用意しています。私が持っている大量のCDの中から選曲して、チェンバロ以外のできるだけ多様なバロック音楽のエッセンスを紹介するのです。

これを毎月コンスタントに増やしていくために、一つのシステムを作りました。毎月のチェンバロ教室通信に、5分間音楽史の今月追加したメニューを掲載するコーナーを設けたのです。

こうすれば、追加作業をし忘れることもないし、「明日でいいや」「明後日でいいや」とずるずる引き延ばすことも防げます。そう、何もかも意志の力だけで成し遂げようとするより、自動的に行われるシステムを作るほうがずっと幸せです。だって、もし実施できなくても、自分の意志の弱さを責めて自己嫌悪に陥らなくて済むんですから。すべきことはシステムの改良です。ね?気が楽になるでしょう?

 

さて、今回追加したのは、ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのアンサンブルでフランス・バロックの悲しい悲しい追悼曲。古楽器演奏では珍しいヴィブラートがかなり多用されていますが、これは全部作曲家によって楽譜に記号で指示されたものだそうです。そう、ヴィブラートは特定の音に時々使う装飾音の一種だったのです! ということは、その他の音には当然ヴィブラートは無しです。

こんなちょっとした情報ですが、ちょっとした情報の積み重ねで、生徒さんのバロック音楽観がいつの間にか広がっていくことを願っています。

 

毎月の5分間音楽史のメニュー追加は私にとってちょっとした楽しみです。何百枚あるか数えたこともないCD棚の前に立って、一枚ずつタイトルを読んでいきます。そのうち、もう何年も聴いていないCDがこちらに訴えかけているのに出会います。そうだ、こんなCDも持っていたんだ。今月はこんな音世界を生徒さんたちに教えてあげよう。知っている人は少ないだろうな。

聴いていただきたいと思った曲が記憶に反して長大だったりして選曲をやり直すことも少なくないですが、この選曲作業を通して、いつも発見があります。私の記憶の中の演奏と、何年ぶりかに聴き直してみたときの印象とが、いつもかなり違うのです。録音自体は全く変わっていないのですから、これはつまり私の音楽観の変化を表しています。そうか、いつのまにか自分も成長していたんだ。

大人になると、誰かに褒めてもらう機会なんて殆どありません。でも、大人だって誰かに褒めてもらうことが必要なのです。だから私は、自分で自分を定期的に褒める機会が自動的にやって来るシステムをこうして作っています。

 

追伸:
ご参考までに、「5分間音楽史」のメニュー詳細はこちらのページでご覧になれます。

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